【広島】豪雨後初、地元で公式戦 被災地へ届けたサヨナラ

2018年7月21日6時0分  スポーツ報知
  • 10回2死一塁、サヨナラ2ランを放った下水流(左手前)を迎える歓喜の広島ナイン(カメラ・中島 傑)

 ◆広島10x―9巨人=延長10回=(20日・マツダ)

 苦境に追い込まれても絶対にあきらめない、広島の底力が奇跡を呼んだ。1点を追う延長10回2死一塁。9回の守備から途中出場していた4番・下水流は、マシソンの153キロの直球を逆方向へはじき返した。

 鳴り物の応援が自粛された球場内に鯉党の絶叫が響いた。41歳の新井は打球の行方を見ようと、真っ先にベンチを飛び出した。皆の思いが詰まった打球は、右翼スタンドへ着弾した。今季2度目の延長逆転サヨナラ勝ちだ。ナインにもみくちゃにされたヒーローは「届いてくれと思いながら走っていた。本当に最高です!」と喜びを爆発させた。

 プロ6年目の30歳は4月19日のヤクルト戦(マツダ)でも、延長12回にサヨナラ打を放っていた。過去のサヨナラ弾について聞かれると「大学の練習試合でありますけど…。それはいいです。人生初? はい!」と会心の笑みを浮かべた。伏兵の一発に、緒方監督は「広島の皆さんに勇気を与える一打を打ってくれた」と絶賛した。

 西日本豪雨の影響を考慮し、9日からの阪神3連戦は中止にした。本拠地での試合は16日ぶりだった。関東遠征中に発生した想像を超える災害に、遠征から戻った選手らは言葉を失った。それでも皆が前を向くことができたのは「自分たちは野球選手。野球しかできない」との思いがあったからだ。全力プレーで少しでも勇気を届けたい―。野球の力を信じ、練習に励んだ。

 球場に半旗が掲げられ、試合前には黙とうが行われた一戦。大量7点を先行しながら追いつかれた。延長10回に一度は勝ち越されても、最後まで戦う姿勢を崩さなかった。下水流は「誰一人としても諦めないのがチームのいいところ。皆でつないで結果」と胸を張った。

 2位・巨人との首位攻防戦に先勝し、6ゲーム差に広げた。貯金は最多タイの13に戻した。お立ち台で「本当に大変だと思いますが、ともに一緒に戦っていきましょう」と呼びかけた下水流。悲しみ、苦しみを乗り越え、赤ヘル軍団が再出発した。(種村 亮)

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