【DeNA】最下位転落免れる代打・投手ウィーランドからのサヨナラ

スポーツ報知
11回2死一、二塁、ラミレス監督(左)に告げられ嶺井の代打で打席に向かうウィーランド=カメラ・関口 俊明)

◆DeNA7x―6広島=延長11回=(3日・横浜)

 まさかのコールに球場は騒然となった。「代打・ウィーランド」。22時半を過ぎてもまだハマスタに残っていたファンはこの日一番の歓声で助っ人右腕を迎えた。9回に抑えの山崎が3点差を追い付かれて延長戦なり迎えた同点の11回2死一、二塁。打者・嶺井の場面でとっておきの“強打者”の出番がやってきた。

 一岡の初球・146キロの直球を強振も空振り。しかしその打者顔負けのスイングにベイ党の期待は高まるばかり。4球目の147キロも空振りしたがフルカウントに持ち込み、最後はフォークを見逃して四球を奪い取った。「ワクワクしたよ。投手の時より大きな声援が力になった。決めたかったけど、最悪でもつなぎたいと思った」とニヤリ。満塁にチャンスを広げ直後、倉本が初球を右前へサヨナラ打。ラミレス監督の奇策が、負ければ最下位転落の危機を救い今季3度目のサヨナラ勝ちを呼び込んだ。

 指揮官は根拠を持って送り出していた。前夜2日に先発し7回105球を投げ3失点。右腕を登板翌日にベンチ入りさせた理由は「たまたま(枠が)空いていたから入れていた」と試合前には想定していなかった。11回1死から筒香が安打で出塁すると「準備をしといてくれ」と指示した。

 ウィーランドは今季打率2割4分、1本塁打。実は昨季広島戦では通算3本塁打で打率5割3分8厘をマークしていた。指揮官は「カンやひらめきではなくデータ。代打で出すなら広島戦しかないと思っていた」とその舞台裏を冷静に説明した。残りの野手は捕手の伊藤のみという中、ラミレス監督の策とそれに応えたウィーランドの四球が光っていた。(岸 慎也)

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