【広島】7度目挑戦でマジック32点灯 3連覇に死角なし!?

スポーツ報知
7回1死、10号ソロを放った会沢(手前左)を迎える(奥左から)松山、鈴木、菊池、上本、丸ら広島ナイン(カメラ・小梶 亮一)

◆阪神4―6広島(15日・京セラドーム大阪)

 広島が3、4番の最強コンビの活躍で、7度目の挑戦でついにマジック32をともした。3回に丸の右中間二塁打で先制すると、続く鈴木が左翼席に22号2ラン。2人で5打点を挙げて効果的にリードを重ね、投手陣も抑えの中崎が9回に2点を返されたが、何とか守り抜いた。2位・巨人に11・5ゲーム差をつける独走状態で、球団初、セ・リーグ2球団目の3連覇に死角はない。

 赤ヘル打線の主役たちが迫力十分のフルスイングでマジック32をともした。両軍無得点で迎えた3回1死一塁。丸が才木の高めに浮いた直球を右中間にはじき返した。一塁走者の菊池が一気に先制のホームに滑り込むと、続く鈴木は左手一本でスライダーをすくい上げる。左翼3階席に、鮮やかな22号2ランが吸い込まれた。

 丸は「走者を進める気持ちでいきました。キク(菊池)がよく走ってくれましたね」と仲間に感謝。鈴木は「うまく打つことができた。高く来た変化球が引っかかってくれた」と納得顔で振り返った。マジック点灯に王手をかけながら6度も逃してきたが、3、4番コンビの活躍で、ついに一つの区切りを越えた。

 互いを刺激し合うように、量産態勢に入っている。7月は丸が17試合で8本塁打、18打点と驚異のペースで打ち続けたが、8月に入ると、鈴木が止まらなくなった。1日のヤクルト戦(神宮)で2発を含む5安打7打点と爆発するなど、8月は13試合で打率4割6分、8本塁打、18打点。「丸さんが苦しい場面で走者をかえしてくれるので、楽な気持ちで入れている」と相乗効果を口にする。

 リーグ最速の60勝到達で、貯金は再び21。緒方監督は「主力がしっかり打点を挙げてくれるから、いいゲームができている」とナインを褒めたが、マジック点灯にも「我々には関係ないこと。また明日から一試合、一試合やるだけ」と決して手綱を緩めない。4回の押し出し四球と6回の適時二塁打で3打点とした丸も「マジックはいくつですか? 一気に5つも10も減るわけではない」と足もとを見つめれば、鈴木も本塁打を「遠い昔のような気がします」と振り返り、余韻に浸ることはなかった。浮ついた様子も一切見せない姿こそが、王者の強さ。セでは巨人以外成し遂げていない3連覇の道のりも、一気に乗り越えていきそうだ。(表 洋介)

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