【ヤクルト】雄平、史上7人目10勝&50発 V2ランで連夜の大逆転呼んだ

スポーツ報知
6回1死二塁、雄平が右中間へ逆転の2ラン本塁打を放つ

◆ヤクルト6―5中日(5日・神宮)

 剛腕から生まれ変わり、積み重ねたスイングの結晶が右中間席に飛び込んだ。6回に青木の3ランで1点差に追い上げ、なお1死二塁。雄平が初球を振り抜いた。逆転の7号2ラン。「まさか入ると思わなかった。風のおかげ」。天も味方につけ、史上7人目となる通算10勝&50本塁打を達成。エンゼルス・大谷も日本で到達できなかった投打の節目に「250本ですか?」とジョークを飛ばし「通算50本は思っていた以上だけど、まだこれから。もっと打てたらいい」と照れ隠しでおどけて見せた。

 東北高時代は最速151キロ左腕として騒がれ、02年ドラフト1巡目で入団。1年目から5勝を挙げるなど通算18勝をマークしたが、制球に苦しんだ。09年オフにサイド転身か迷った末、野手転向。高校通算36発のバットに再生をかけた。「3割打ちたい」など決意表明を自らレポート用紙20枚に書き、球団に提出した。

 「野手は一から。センスがない。秀でているものがないからやるしかない。勇気いりました。でも、投手としてはもう無理と思ったし、未練はなかった。最初は1軍でレギュラーになれるなんて思っていなかった」

 あきらめなかった男は、2回に先制中前打を放ち4試合連続打点。スタメン出場した試合は42試合連続出塁だ。チームも9回6点差を追いつき、延長11回サヨナラ勝ちした4日に続き、4点ビハインドの6回に2発5点ではね返し、2連勝。5日ぶりに貯金1に戻した。「今年なんとか10本打ちたい」と雄平。どん底から、まだまだ逆転アーチを描く。(山崎 智)

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