【西武】「レオの熱男」山田、プロ4年目初スタメン初安打が1号

スポーツ報知
4回2死二塁、左中間にプロ初本塁打を放った山田はガッツポーズ(カメラ・清水 武)

◆西武12―4日本ハム(19日・メットライフドーム)

 西武が新兵器の活躍で6連勝を飾った。プロ4年目の山田が「8番・三塁」で初めて先発出場すると、4―1の4回2死二塁で堀から左中間席へアーチをかけた。プロ初安打が本塁打となり、初打点を記録すると、尊敬するソフトバンク・松田宣の「熱男」のパフォーマンスを完全コピー。先発・榎田は7回2失点で8年目で初の10勝目を挙げた。

 思い切り右拳を突き上げ、山田が腹の底から叫んだ。「熱男~!」。初めてダイヤモンドを一周すると、尊敬するソフトバンク・松田宣のお墨付きを得て、パフォーマンスを拝借。高卒4年目にして「8番・三塁」でプロ初スタメンに起用されると、プロ初安打となる初本塁打で抜てきに応えた。

 3点リードの4回2死二塁で、左中間最深部にプロ初打点ともなる1号2ラン。「自分らしく、がむしゃらにいこうと。不思議な感覚で、ボールがどこに行ったか分からなかった」。二塁を回って気づき、「夢みたい」と声を弾ませた。

 昨オフに山川、森と交じり、松田宣と亜大で合同自主トレ。「獅子男(ししお)」と呼ばれてかわいがられ、「真っすぐをイチ、ニ、サンで、前ではじき返す」と打撃の極意を学んだ。森のリストバンドも借り、高め直球を師匠直伝のフルスイングで仕留めた。

 先天性の難聴で右耳の聴力はほとんどないが、持ち前のガッツで「レオの熱男」の異名を取る。この日は松田宣の登場曲をメドレーで採用。第1打席の登場曲は近藤真彦の「ギンギラギンにさりげなく」。4回の第2打席は「ダンシング・ヒーロー」に切り替え、衝撃のアーチでニューヒーローに躍り出た。ロッテ戦後に「熱男」ポーズ披露を伝え聞いた本家・熱男の松田宣も「いいんじゃないですか」と容認した。

 6月に1軍初昇格したが、2打席無安打1三振で降格。16日に再び1軍に呼ばれ、通算7試合目、4打席目にして元気印の背番号52がとんでもない快音を響かせた。

 チームは6試合連続2ケタ12安打の12点で今季3度目の6連勝を飾り、優勝マジック9。同じ佐賀県出身の山田の一発に、辻監督は「最高の形でうれしい。経験を積んで自信にしてくれれば。チームも明るくなるし、いいことずくめ」と称賛。10年ぶりの頂点に向けて、山田が獅子おどし打線に新風を吹かせた。(山崎 智)

 ◆山田遥楓(やまだ・はるか)アラカルト

 ★生まれとサイズ 1996年9月30日、佐賀市生まれ。21歳。179センチ、84キロ。右投右打。

 ★球歴 佐賀工では遊撃兼投手で投げても最速144キロ。3年夏は佐賀大会決勝で敗れ、甲子園出場なし。14年ドラフト5位で西武入団。昨季は2軍で打率2割4分5厘、6本塁打、37打点。年俸550万円。

 ★名前の由来 男3人兄弟の次男で「両親が女の子に生まれてきてほしかったそうです。インパクトのある名前でいい」。

 ★ハンデ克服 右耳に先天性の難聴を抱える。「フライはきつい。(内野と外野の間の飛球では)右側からの声が聞こえないから、外野手の口の動きを見る」

 ★好きな言葉 「信は力なり」。佐賀工時代の監督に授けられた。

 ★趣味 ドライブ。愛車は日産フェアレディZ。

 ★似ている芸能人 「上地雄輔さんに似ていると言われたことがあります」

 ★苦手な食べ物 野菜。地元・佐賀の名物シシリアンライスは好き。

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