【広島】新井、球団史上最年長三塁打!「よく打ったと褒めてもらいました」

スポーツ報知
突然降り出した大雨の中、ヒーローインタビューで声援に応えた新井(左)

◆広島7―3阪神(21日・マツダスタジアム)

 泥臭く、しぶとくバットを出した。1点リードの8回1死二塁。途中出場で2打席目の新井は2ストライク1ボールと追い込まれながらも、望月の外角に沈むフォークに食らいついた。右翼・糸井が打球をそらす間に一気に三塁へ。2年ぶりの三塁打は、石井琢朗(現ヤクルトコーチ)の41歳0か月を7か月更新する球団史上最年長三塁打となった。

 「二塁ベースを回ったあたりから足がもつれ始めて、コケないように気をつけた。野間サンが二塁打でチャンスをつくってくれて、ベンチに帰った時に『よく打った』と褒めてもらいました」。ヒーローインタビューで後輩をネタにして観客の笑いを誘った。

 14年まで7年間過ごした阪神との思い出は尽きないが、今も胸に留めている打席がある。甲子園での今季ラストゲームとなった7月26日。すでにユニホームを脱ぐ決意を固めていた新井は6回に代打で打席に立った。「雨で試合開始が遅れてね。これで甲子園も最後だなと思った」。歓声もヤジも全身に浴びたかつての本拠地。三ゴロに倒れたが、心ひそかに感傷に浸り、静かに別れを告げていた。この日の適時三塁打は今月5日の引退表明後、古巣からの初ヒットになった。

 チームは今季37度目の逆転勝ちでマジックを3に減らした。最短Vは1日遅れて23日になったが、3連覇はもう目の前だ。今季初めてお立ち台に立った新井は「雨の中、遅い時間までありがとうございます。風邪引かないように気をつけて帰ってください」と声を張り上げたが、自身は激しい雨などお構いなし。ズブぬれで観客席にあいさつに出向き、コイ党とハイタッチを繰り返した。

(表 洋介)

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