【オリックス】小谷野が引退会見 幼なじみの松坂に「(まだ自分から)ヒット打ってない」と言われた

スポーツ報知
引退会見を開き、花束を手に涙を見せるオリックス・小谷野

 オリックスの小谷野栄一内野手(37)が27日、今季限りで現役を引退することを発表した。京セラドーム大阪で、スーツ姿で会見。「私、小谷野栄一は、プロ野球選手を引退することを決意いたしましたことをご報告させていただきます」と切り出した。

 目を潤ませるも、晴れやかな表情。プロ16年間の現役生活の思い出を問われると「一つって言えないですね。全部が僕の財産、強いて言えばオリックスと日本ハムの選手として、いろんな人と出会えたのが財産だと思います」と振り返った。

 引退を決断した理由については、「心と体のバランスが今までにないくらいずれてきた。努力すればするほどずれが多くなっていた。『今までだったらこういうのができたのに』が多くなってきた。(走攻守)全てですよ」とけがを抱えた体の限界を感じたことをあげた。

 2006年にパニック障害を発症。病気と向き合いながら闘ってきたプロ野球生活に「病気のお陰で野球選手として強くなれた。病気になれて良かったなと。それが僕の個性」と話した。また、日本ハム時代から、支えてくれた福良監督についての思いも語った。「一番大変だったときに一番近くで支えて下さった。こういう人になりたいと思った。福良さんに出会えてなかったらこんなに野球やれてなかったと思う。悔しいのは福良さんを男にできず、優勝して胴上げができなかった」

 会見では、松坂世代の戦友たちへの感謝も口にした。巨人・杉内、元巨人でBC栃木の村田、DeNA・後藤も引退する。「彼らと同じ世代で良かった。松坂世代であることを誇りに思っています」。

 世代のトップランナー、中日・松坂大輔投手(38)とは江戸川南リトルシニア時代のチームメート。僚友には26日に電話で引退を報告。「『引退するわ』って言ったら、笑いながら『(まだ自分から)ヒット打ってないじゃん』って言われて」(笑い)。あいつなりにユーモアをもって返してくれて。伝えられて良かった」。刺激を常に与えてくれた親友に感謝した。

 今後については未定だが「もちろん、やっぱり野球に関わる仕事がしたい」と意欲を示した。会見の最後には、チームメートの中島からサプライズで花束を贈られ、大粒の涙を流した。10月5日の本拠地最終戦・ソフトバンク戦(京セラD)で引退セレモニーが行われる予定だ。

 

 ◆小谷野 栄一(こやの・えいいち)1980年10月10日、東京生まれ。37歳。創価高、創価大を経て2002年ドラフト5巡目で日本ハムに入団。10年に打点王。ベストナイン1度、ゴールデン・グラブ賞は3度獲得。14年オフに日本ハムからオリックスへFA移籍。177センチ、88キロ。右投右打。年俸6300万円。既婚

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