【担当記者が見た矢野謙次】日本ハム移籍で変身「思い切り」

スポーツ報知
代打で2ランを放つ日本ハム・矢野(2016年6月15日)

 16年間の現役生活にピリオドを打った矢野謙次外野手(38)。巨人、日本ハム時代それぞれの“担当記者”が、矢野の人柄と魅力をつづった。

 まだ照明もついていない薄暗い札幌Dで、黙々と体を動かしていた矢野の姿は今でも印象に残っている。15年6月に日本ハムへ移籍。直後に初めて1軍に合流した時には、ナイターにもかかわらず、札幌Dの関係者用の開門時間の午前11時前に球場に到着するなど、巨人時代から「準備」を大切にしてきた姿勢は移籍してからも変わらなかった。

 ただ、新たな変化もあった。常勝を義務付けられた巨人では、ミスも許されない緊張感の中で戦った。日本ハムは、若手主体ということもあり、ミスを恐れず伸び伸びプレーする若手ばかり。180度違う環境が、思考の変化を生んだという。

 「恐れずにどんどんいくというのは、俺にはない部分だった。こっちは思い切りやる。後先考えずにガーンといくのは俺も一緒にやっていきたいなと思うよね」

 言葉通り、グラウンドでは若手とともに躍動。中田、西川、大谷、同じく巨人から移籍した大田ら年下選手から慕われた。矢野が打つと自然とチームは盛り上がった。在籍したのは3年半だったが、日本ハムでも選手、スタッフ、ファンなど多くの人に愛されていた。(14~17年日本ハム担当・後藤 亮太)

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