【西武】雄星、初タカ狩りでV王手!本拠地最終戦で決める

スポーツ報知
プロ入り後、初めてソフトバンクから白星を挙げた菊池は、ヒーローインタビューで涙を見せた(カメラ・川口 浩)

◆西武5―3ソフトバンク(28日・メットライフドーム)

 西武が怒とうの12連勝で10年ぶりのパ・リーグ制覇に王手をかけた。エースの菊池がプロ9年目、通算19登板目でソフトバンクから初勝利。最速155キロで7回3失点にまとめ、入団から続いた同カードの連敗を13で止めた。打線は山川が初回、打点と本塁打の2冠に躍り出る先制46号3ラン。6回に中村が決勝の28号2ランと、またも破壊力を見せた。29日の同カードに勝つか引き分ければ、20年ぶりの本拠地Vが決まる。

 ついに負の呪縛を解き放った。10年ぶりの優勝に王手。万感の思いが込み上げ、菊池はお立ち台で言葉に詰まった。ソフトバンク戦は11年の初登板から13連敗していた。7回8安打3失点で粘り、宿敵に19登板目で初白星。「悔しい思いを13回もしてきた。ソフトバンクに勝たないと、ファンにもチームにも、エースとして認められない思いが強かった。一番大事な試合で絶対勝ちたかった」。今季14勝目でチームの12連勝を飾り、唯一の壁を乗り越えた。

 不運に屈しなかった。3点リードの3回に1点を返され、なお2死三塁。153キロの直球で柳田を詰まらせたが、ゴロとともに折れたバットまで浅村の前に飛び、適時内野安打に。この回5安打を集中されたが、同点でしのいだ。6回の中村の決勝2ランを呼び込み、「鳥肌が止まらなかった」と胸を震わせた。

 2年前の悔しさも晴らした。16年9月28日の日本ハム戦(西武プリ)。花巻東の後輩・大谷との投げ合いに敗れ、目の前で胴上げを許した。「ここぞっていう試合で結果を出す。そういう投手になりたいとずっと思っていた」。7回2死で105球目に最速155キロをマークし、柳田を二ゴロ。メジャー7球団9人のスカウトの前で底力を示した。

 西武は昨季までソフトバンクに7年連続負け越し。その間58勝104敗9分けと辛酸をなめた。菊池は「僕の負けが8年間あった。1勝でも貢献できてうれしい」。10年以来8年ぶりのカード勝ち越しにつなげた。

 開幕8連勝から1度も首位を譲らず、29日は本拠地最終戦。58年に13連勝で決めた西鉄以来、60年ぶり史上2度目となる2ケタ連勝での胴上げがかかる。辻監督は「きょうは雄星にとって大きく変わる日だった。ここまで来たら、明日舞いたい。(58年は)俺の生まれた年だし、何かあるかな」。勝ちっ放しで歓喜の輪に飛び込む。(山崎 智)

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