【日本ハム】大田が逆王手打!お立ち台「矢野ユニ」で感謝 “兄貴”の助言でCS初安打

スポーツ報知
ヒーローインタビューに引退した矢野のユニホームを着て姿を現した大田(カメラ・渡辺 了文)

◆2018 パーソル クライマックスシリーズ パ ソフトバンク2―4日本ハム(14日・ヤフオクドーム)

 初戦を落とし、崖っ縁に立たされていた日本ハムが逆王手をかけた。同点の8回、大田が今シリーズ初安打となる決勝の適時二塁打。お立ち台には今季限りで引退する、兄貴分の矢野のユニホームを着て登場し感謝した。先発・マルティネスは7回2失点でCS初勝利。ソフトバンクは4番・柳田が3打数無安打に倒れるなど、3投手の継投の前に2得点に封じられた。15日の第3戦でソフトバンクは引き分け以上、日本ハムは勝てば17日からの西武との最終Sに進む。

 自然と右拳を握っていた。左翼手の頭上を越えていく打球を見つめながら、大田が疾走した。同点に追いつかれた直後の8回2死二塁。フルカウントから、加治屋の真ん中高め149キロの直球を豪快に振り抜いた。「食らいつくしかない」と、今シリーズ初安打が決勝の適時二塁打。二塁ベース上でガッツポーズしたヒーローは、「ホッとした」と、笑みをこぼした。

 頼りになる先輩が、救いの手を差し伸べてくれた。前日13日は3打数無安打に倒れ、7回に代打を送られた。チームも敗れて崖っ縁に立たされ、悔しさが募る中、巨人時代から兄貴分として慕い、今季で引退する矢野に電話でこう切り出した。

 「(打撃の状態は)どんな感じに見えますか?」

 矢野の助言は的確だった。第2打席で三ゴロに倒れた場面から、体の開きが早いなどの修正点を指摘され、途中交代で沈んでいた精神面もフォローしてくれた。この日のお立ち台。球団スタッフが用意した矢野のユニホームを着て上がり、「アドバイスをもらったので、安打が打てたと思う。兄貴分の矢野さんの分まで頑張りたい」と感謝した。

 決勝打の打席。この日、本塁打を放った横尾が使うマルッチ製のバットを借りた。メジャーでエンゼルスのプホルスらが愛用する米国製のバット。無安打が続く中、何かを変えようと、「手に取るところで変化を起こしてみた結果、功を奏してくれた。ヨコ(横尾)にあやかって」。必死な姿勢が結果を呼び込み、栗山監督は「あの1本で(大田)泰示も落ち着いて野球ができる」と喜んだ。

 パ・リーグでプレーオフ、CS第1Sの初戦を落として突破したのは過去14度のうち2度のみ。圧倒的に不利な状況からタイに戻し、15日の第3戦に望みをつないだ。「泥だらけになって、必死にボールを追いかけて、一生懸命に打つ」と大田。日本一へと続く下克上は、まだ終わらせない。(小島 和之)

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