【中日】与田新監督、いつでもどこでもサイン会“指令”ファンサービス&星野イズムで優勝目指す

スポーツ報知
就任会見で矢野球団社長(右)と握手する与田新監督(カメラ・田中 昌宏)

 中日の新監督に決まった与田剛氏(52)=前楽天2軍投手コーチ=が15日、名古屋市内で就任会見し、ファンサービスの徹底を求めた。恩師・星野仙一氏を見習って、闘争心を注入していくことを誓った。年俸1億円(推定)で3年契約。

 心の高ぶりがそうさせたのか、与田新監督は「暑い暑い」と噴き出す汗をハンカチでぬぐった。「名古屋に23年ぶりに戻ってくることができた。本籍も名古屋にずっと置いていた。優勝、それだけを目指して戦います」。人一倍広い背中で、竜再建の重責を受け止めた。

 解説者、楽天で過ごす間に、地元人気が下降する古巣に足りないものを感じていた。グラウンド外でのファンサービスだ。「スーパーで買い物していても声をかけられることがある。ちょっとした握手や写真を撮ってあげることならできる」。最近は「プライベートですから」とファンの求めを拒絶する選手も多いが、与田監督は「普段の生活で1、2分の時間を(ファンサービスに)割くことに違和感を覚えないようにしてほしい」と呼びかけた。

 現役時代は闘争心むき出しでファンを魅了。選手として活躍した期間は短かったが、テレビのキャスターとしても歯切れ良い解説で愛された。「私も『歌って踊る』以外はお手伝いしますよ」と手本を示す。

 “星野イズム”を注入する。「星野監督は常々選手が最優先と話していた。僕と距離を取りたい選手がいたら逆に近づいていく。嫌われてもいい」。中日入団時の指揮官で、楽天球団副会長としてもコーチに招いてくれた闘将と同様に、ナインと濃厚な関係を築き、チームの結束力を高める。

 投手出身ながら「僕は攻めたい」と攻撃野球を宣言。宮崎フェニックス・リーグや17日からの名古屋市内での秋季練習にも、時間の許す限り足を運ぶ。(田中 昌宏)

 ◆与田氏に聞く

 ―古巣で監督に就任。

 「(入団時にドラフト1位で)単独指名してくれた。その思いを一生忘れることはない。強い縁を感じる。運のいい男だと思う」

 ―組閣は。

 「できるだけ早くまとめてスタートしたい。(ヘッドコーチも)頭の中に構想がある」

 ―救援陣の再建を期待される。

 「先発投手が一つでも多くアウトを取る。そこからスタートしないと救援陣に負荷がかかる。先発陣の整備が救援陣のためにも必要」

 ―ドラフト1位指名を公表している大阪桐蔭・根尾について。

 「いい顔をしている。走攻守がしっかりして、スーパーマンのよう」

 ―背番号は未定。

 (星野監督の)77番は私にはつけられない(笑い)」

 ◆与田 剛(よだ・つよし)1965年12月4日、福岡・北九州市生まれ。52歳。木更津中央高(現木更津総合高)から亜大、NTT東京(現NTT東日本)を経て89年ドラフト1位で中日入り。1年目に31セーブをマークし、新人王と最優秀救援投手。96年途中にロッテにトレード。98、99年は日本ハム、2000年は阪神でプレーして引退。通算148試合で8勝19敗59セーブ、防御率4.58。09年と13年にWBC日本代表コーチを務め、09年は優勝。16年から楽天1軍投手コーチ。18年は同2軍投手コーチ。182センチ、94キロ。右投右打。妻は元TBSアナウンサーの木場弘子さん(53)。

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