【阪神】矢野新監督、フロントに物言う熱血漢のリーダー

スポーツ報知
6日、巨人を下してファーム日本一となり、阪神ナインから胴上げされ笑顔を見せる矢野2軍監督

 阪神の新監督に矢野燿大2軍監督(49)が就任することが15日、決まった。西宮市の球団事務所を訪れ、就任要請を受諾することを表明した。近日中に就任会見を行う。今季は17年ぶりとなる最下位に沈み、11日に金本監督が電撃辞任を表明したばかり。突然の監督要請にもかかわらず、12年ぶりにファームを日本一に導いた熱血漢が、タイガース再建の陣頭指揮を執ることを決断した。

 端正なマスクに頭脳的なリード。クールに映るイメージとは裏腹に、ほとばしるような情熱が、矢野の真骨頂だった。

 現役時代のある年の契約更改交渉。自身の条件面ではなく、ライバルチームからの助っ人強奪を狙っていた当時の球団首脳にかみついた。「もちろんチームが強くなるには補強は必要です。でも他球団の選手が移籍してきても、阪神ファンは活躍を喜べますか? ファンはバースを求めているんです」。選手時代から、チームメートに限らず、首脳陣、フロントにも遠慮なく物言うリーダーだった。

 高校通算3本塁打が示すように、野球エリートではない。プロ入り後も中村武志の控えだった中日時代からコツコツと実績を積み上げ、正捕手として阪神を2度のリーグ制覇に導いた。ゴルフのトーナメント出場にフルマラソンでのサブ4(4時間以内)達成、そして釣りの腕前。グラウンドを離れても「努力はウソをつかない」をこれほど体現する人はいない。

 幕末の歴史に興味を持ち、「竜馬がゆく」を読めば、京都に足を運び、ゆかりある土地を巡った。「物事は自分の目で多方面から見ないといけない」が信条で、新選組隊士を描いた「壬生義士伝」にもはまっていた。好奇心旺盛で、いつも挑戦を忘れない熱血漢。今季の2軍のテーマだった「超積極」は、1軍の舞台でも浸透していくはずだ。(プロ野球遊軍・表 洋介)

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