【ソフトバンク】柳田、チーム初の下克上へ今CS初アーチ「あとひとつ勝ちます」

スポーツ報知
1回2死一塁、柳田(中)が左越えに先制2ランを放つ(投手は今井、捕手は森=カメラ・竜田 卓)

◆2018 パーソル クライマックスシリーズ パ 最終S第4戦 西武2―8ソフトバンク(20日・メットライフドーム)

 ソフトバンクが、柳田の今CS初本塁打で日本シリーズ進出に王手をかけた。初回2死一塁から、左翼席へ飛び込む先制2ランで打線に勢いをつけると、7回に内川のCS通算最多安打、最多打点となる2点打も生まれるなど、11安打8点で西武に快勝した。2連勝で対戦成績を3勝2敗(アドバンテージ含む)とし、第5戦に勝てば、すでにセ・リーグでは広島の出場が決まっている日本シリーズに、2年連続の進出が決まる。

 確信を持って、打球の行方を見届けた。柳田がゆっくりと走り出した。初回2死一塁。今井の外角高め直球をしばき上げた。白球は高々と舞い上がり左翼席に着弾する先制2ラン。「力を抜いてカチ上げる感じです」。独特の言い回しで今CS7試合目で飛び出した待望のアーチを表現した。

 CSでは15年の最終S以来、3年ぶりアーチは逆方向への“規格外”の一発。それでも「ホームランやと思いましたよ。上がり過ぎかなと思ったけど打ち方、スイングが良かった」とサラリと振り返った。だが周囲の反応は違う。「何といっても柳田のホームラン。あいつは(左翼方向へ)右の打者より飛ぶからね。前へ前へ伸びていく」。同じ左打者で通算868本塁打の王球団会長も驚きの声をあげた。

 バットだけではない。一塁走者だった7回2死満塁ではデスパイネの三遊間へのゴロで、ダイビングキャッチした源田は二塁封殺を狙ったが、快足を飛ばしセーフにした。適時内野安打となり、この回の4得点につなげた。「あれはイメージしていた通り。大きかったと思います」と胸を張った。

 “夢舞台”に一歩近づいた。この日の試合前「あと2つ(2勝)っすね」とうれしそうに笑った。セ・リーグでは広島が19日にCS突破を決めたばかり。広島市出身の自称「カープ男子」で、野村謙二郎に憧れ、学生時代に何度も通ったマツダスタジアムでの日本シリーズ。昨年は広島がCS最終Sで敗退したため、かなわなかったが、今年は突破すれば地元の家族、友人らに雄姿を見せることができる。大きなモチベーションが豪快なプレーに表れた。

 柳田の先制弾を号砲に効率良く得点を重ね、11安打8得点。4試合全て5点以上で38得点となり、CS同一ステージの最多得点となった。04年以降のプレーオフ、CSで過去3度、リーグでは唯一、下克上を許しているタカが初の下克上へ王手をかけた。「あとひとつ勝てるように頑張ります。あとひとつ勝ちます」とお立ち台でファンに約束したギータ。リーグ連覇を逃し、2位に終わった悔しさを晴らす瞬間は、もう目前だ。(戸田 和彦)

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