【ソフトバンク】球団初の下克上で史上初の「ホークスVSカープ」日本S実現

スポーツ報知
祝勝会で頭から樽酒を浴びる柳田(カメラ・竜田 卓)

◆2018 パーソル クライマックスシリーズ パ 最終S第5戦 西武5―6ソフトバンク(21日・メットライフドーム)

 シーズン2位のソフトバンクが球団初の下克上だ。クライマックスシリーズ(CS)最終ステージ(S)第5戦も12安打6点で西武に打ち勝ち、4勝2敗(西武のアドバンテージ1勝を含む)で2年連続18度目の日本シリーズ進出を決めた。主砲の柳田が初回に先制の3点二塁打。6回には2試合連続アーチで計4打点を稼ぎ、CS最優秀選手(MVP)に輝いた。工藤監督は積極采配で5戦合計44点の猛攻で西武を圧倒。日本シリーズ(27日開幕)では広島と激突。史上初の「ホークス・カープ」対決で2年連続の日本一を目指す。

 歓喜の輪に、柳田は笑顔でセンターから駆け寄った。2試合連続の決勝打と本塁打をマークし、ポストシーズン初のMVPを獲得。「(MVPは)たまたま。チャンスで回してくれたみんなのおかげ」。チームメートへの感謝が真っ先に口をついて出た。

 初回から速攻だ。中心にいたのは、主砲の柳田だ。無死満塁から左中間を破る走者一掃の先制3点二塁打。しかしそこに至るチャンスメイクもまた鮮やかだった。先頭の上林が右翼線二塁打で出塁して勢いを付け、明石は死球。グラシアルは無死一、二塁から自らの意志でセーフティーバントを試み、内野安打で無死満塁。「チームで束になれた」と柳田もうなずいた。

 1点差に詰め寄られた6回には、先頭で右中間へ2試合連続となる2号ソロ。「ウルフが良かったので連打は難しい。長打を意識した」と喜んだ和製大砲は、最終S通算20打数9安打(打率4割5分)、2本塁打、8打点でチームをCS突破に導いた。広島市出身の柳田にとって日本シリーズでは、待ち望んだ地元球団と対戦する。

 広島が日本シリーズに進出した1991年当時は3歳で記憶になく、プロ入り後の16年はソフトバンクがCSで敗退し、昨年は広島がCSで敗退。長年の夢がようやくかなった。「生まれ育った町で日本シリーズができる。小さい頃から考えると想像できない。2位なので挑戦者の気持ちでやりたい」と意気込んだ。

 柳田を中心とした打線は12年の中日を上回るCS最多の63安打で、CS初の6試合連続5得点以上も記録。04年以降のプレーオフ、CSでパ・リーグ球団唯一、しかも3度も下克上を食らってきたタカが、初めて2位から日本シリーズにたどりついた。「ここまで来たらあと4つ勝ちます。今年、工藤監督を胴上げできていないので胴上げしたい」。最終目標は2年連続日本一。日本シリーズも、柳田は打ちまくる。(戸田 和彦)

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