【ソフトバンク】柳田、バット折りサヨナラ王手弾!

スポーツ報知
延長10回無死、柳田が右越えにサヨナラ本塁打を放ち、ヘルメットを放り投げて歓喜のナインの待つホームに飛び込む(カメラ・保井 秀則)

◆SMBC日本シリーズ2018第5戦 ソフトバンク5x―4広島=延長10回=(1日・ヤフオクドーム)

 SMBC日本シリーズ2018は1日、第5戦が行われ、ソフトバンクが延長10回、柳田の劇的なサヨナラ本塁打で勝利。3勝1敗1分けとし、2年連続9度目の日本一に王手をかけた。日本シリーズでのサヨナラ弾は、2016年の第5戦で満塁弾を放った日本ハム・西川遥輝以来。11年の第7戦から続く本拠地での日本シリーズ連勝を12に伸ばした。2日の休養日を挟み、第6戦はマツダスタジアムで開催される。

 打った瞬間、ヤフオクDを地鳴りのような大歓声が包んだ。打った柳田もタカ党も、誰もが待ち望んだ日本シリーズ初アーチは劇的すぎるサヨナラ弾だ。延長10回、先頭で中崎のスライダーを捉えた。バットを折りながら、規格外のパワーで右翼テラス席に運んだ。「うわー折れたって思ったんですけど、テラス(席)に入ってビックリした」。バットを折っての本塁打は自身初体験。「歓声がボールを運んでくれましたね」とファンに感謝した。

 テンションMAXだった。打席に向かう際、若い頃に登場曲に使用していたアイドルグループ「ももいろクローバーZ」の「行くぜ!怪盗少女」が球場に流れた。球界屈指の「モノノフ(ももクロファンの呼称)」としても知られる和製大砲。「初心です」と若い頃を思い出す一方、冷静さも失っていなかった。「決めてやろうという気持ちは全くなかった。リラックスして打席に入った」。広島バッテリーに徹底的に内角を突かれてもイライラしない。大舞台でも、若かりし頃の悪癖を見せない“大人”になった柳田がいた。

 最後は柳田のバットが決めたが、デスパイネが左膝痛でベンチから外れる緊急事態にもチーム一丸で戦った。広島に3度、リードを許しながら追いつき、最後はサヨナラ勝ち。日本シリーズの本拠地・ヤフオクDの“不敗神話”は12に伸びた。「まさかという思いはあったが、さすが4番」と工藤監督も驚きを隠せなかったサヨナラ弾。2勝1敗から王手をかけたチームの日本一確率は96%だ。

 「王手がかかったので、とにかく日本一になれるように。きっと日本一になります」と、工藤監督は福岡のファンに約束した。一方のヒーローは最後までギータ節が全開だ。「こんなに(夜)遅くまでありがとうございます。マツダスタジアムに行きますけど、新幹線でも車でもヒッチハイクでも、来る手段は何でもある。また広島で会いましょう」と笑ってファンに呼びかけた。「決めたいですよ。そこ(広島)でしかないでしょ」。リーグ2位からの下克上、2年連続の日本一は目前。ギータが生まれ育った広島で、歓喜の瞬間を迎える。

(戸田 和彦)

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