【侍ジャパン】柳田「ミラクル!」日米野球初の逆転サヨナラ弾

スポーツ報知
柳田は中越えサヨナラ2ランを放ちベンチを指さす

◆日米野球第1戦 日本7x―6全米(9日・東京ドーム)

 4年ぶりの開催となった日米野球の侍ジャパン―MLB選抜の開幕戦が行われ、日本は柳田の逆転サヨナラ2ランで白星発進となった。2点を追う9回に会沢の適時打で1点差に迫ると、2死一塁で柳田がバックスクリーンに特大サヨナラアーチ。メジャーの一発攻勢にも負けないど派手な一撃でスター軍団を粉砕した。先発したチーム最年長の岸は5回途中を4安打3失点、5三振を奪い、20年東京五輪へ猛アピールした。

 バックスクリーンを直撃した白球にドームが揺れた。会沢の適時打で1点差に迫った直後の9回2死一塁。柳田は1ボールからイェイツの高めに浮いたツーシームを力ずくで振り抜いた。「ミラクル! 来た球をしっかり当てることだけ考えていた。シンプル・イズ・ベスト!」。全米相手に史上初のサヨナラ弾となる推定140メートルの逆転2ラン。仲間が総立ちとなった一塁ベンチに、右人さし指を突き出した。

 1日の日本シリーズ第5戦(ヤフオクD)では、バットを折りながら延長10回に圧巻のサヨナラ弾を放ったばかり。この日は十分な感触の侍ジャパン1号だった。「会心です。(打った瞬間に)ホームランだと思った。みんな喜んでくれたんで良かった。いい思い出になりましたし、まだまだ打ちたい」と自画自賛の一発を振り返った。

 16年のオフにはポスティング・システムによる米挑戦を直訴したほど、メジャーには恋い焦がれている。今でもインスタグラムのMLB公式サイトをフォローし、常に強打者の映像をチェック。「本塁打は『全部すごいな』と思って、一ファンとしてセンターを守っていた。格好いいです、格好いいです」。憧れのドジャース・ベリンジャーの来日は実現しなかったが、この日もソトやサンタナのフルスイングには胸が躍った。四球で出塁した4回は強肩捕手モリーナを相手に間一髪で二盗を決めるなど、メジャー顔負けの暴れっぷりだ。

 驚がくのアーチにゴジラも脱帽した。MLBの松井コーチは「皆さん野球のおもしろさを堪能したんじゃないでしょうか。ちょっと高めに見えたけど、パワーがあるよね」と絶賛。稲葉監督は「もちろんあると思います。いろんな可能性も含めて考えたい」と4打数無安打に終わった山川に代わる4番昇格をほのめかした。

 頂上決戦の激闘を癒やす暇もなく、日米野球に参戦。日の丸では気分転換で背番号を変更してきたが、今回は大好きなゾロ目の22でグラウンドを駆け回る。「めちゃめちゃ疲れているけど、気持ちでやっています。本当は休みですけど、これだけたくさんのファンの方に応援してもらえて、野球をやって良かったと思っています!」。メジャー顔負けのフルスイングが、侍打線を引っ張っていく。(表 洋介)

 【H柳田の驚弾めも】

 ▼破壊弾 15年6月3日、DeNA戦(横浜) 三浦からスコアボード右上部を破壊する推定150メートル弾。

 ▼公約弾 17年6月7日、ヤクルト戦(ヤフオクD)右翼席上段へ推定145メートル弾。前日は推定10メートルのボテボテサヨナラ内野安打。「あしたはちゃんと飛ばします」の予告通りの14・5倍飛距離を伸ばした。

 ▼逆方向弾 18年10月5日、オリックス戦(京セラD) 東明の直球を逆方向へ。左翼ポール際の5階席まで運ぶ通算150号。

 ▼バット折り王手弾 18年11月1日、日本シリーズ第5戦、広島戦(ヤフオクD)延長10回先頭、中崎のスライダーを右翼へサヨナラ弾。バットを折りながらのアーチは自身初。日本一へ王手をかけた。

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