【侍ジャパン】岸、初の代表マウンド5回途中5K3失点

スポーツ報知
右腕を振って力投する侍ジャパン先発の岸

◆日米野球第1戦 日本7x―6全米(9日・東京ドーム)

 初の日の丸ユニホームを血で染めながら、岸が右腕をしならせた。右手甲側の親指付け根から出血したが、「シーズン中は毎回なる」と構わず、4回1/3を4安打3失点5奪三振。「逃げることなくストライクゾーンで勝負できた」。チーム最年長33歳が20年東京五輪に名乗りを上げた。

 初回から代名詞のカーブでモリーナのバットに空を切らせた。4回は直球で2者連続の見逃しK。3回にロサリオにソロを浴び、5回無死一、二塁で今大会の投球制限の80球を迎えたが、81球目で空振り三振。交代直後に2番手・成田が勝ち越し3ランを浴び、岸は「途中降板となって悔しい」。それでも8日の巨人戦を見て、建山投手コーチ、甲斐とMLB選抜に伝家の宝刀が有効と判断。「うまくカーブを使えた」。フォーシームと縦のカーブを軸に純和風スタイルが効いた。

 待ちわびた代表マウンドだった。09年WBCは直前に選考漏れ。14年日米野球は右脇腹違和感で辞退。15年プレミア12も左脇腹肉離れで1次候補にとどまった。特にWBC候補合宿ではメジャー仕様の球に苦心。「全然違う。滑る感覚が強かった」。今回はNPBの統一球に近いWBSC公認球(SSK社製)。「(縫い目の)山が高いくらいで滑るとかないので、気にすることはない」。パ・リーグ最優秀防御率の安定感を侍開幕戦につなげた。

 稲葉監督は「改めて、すばらしいと思った。緩急、直球のキレ、制球もよかった」と称賛。岸は「この経験を来年以降につなげたい。五輪? チャンスがあれば」。2年後に35歳を迎える右腕が先発陣の一角をつかみにいく。(山崎 智)

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