【侍ジャパン】“4番”柳田、王以来52年ぶり4安打「リラックスです」

スポーツ報知
3回1死二塁、柳田が左中間へ2ランを放つ(投手・ラミレス=カメラ・川口 浩)

◆日米野球第2戦 全米6―12日本(10日・東京ドーム)

 日米野球第2戦は“ギータ・フェスティバル”と化した。9日の第1戦で逆転サヨナラ弾を放った柳田が4打数4安打4打点と大爆発。4番に昇格し、3回に逆方向への2ランをたたき込むなどMLB選抜の度肝を抜いた。日本選手の2戦連発は02年の中村(近鉄)以来、4安打は同年の松井稼(西武)以来。4番で4安打は66年の王貞治(巨人)以来52年ぶりだ。柳田が点火した打線は17安打で12点を奪い、侍ジャパンが連勝発進した。

 甘く入った獲物をひと振りで打ち砕いた。3点リードの3回1死二塁。柳田はラミレスの初球のカーブを豪快にすくい上げた。「思いきりボールをしばいたろうと思って。今日はいい一日になりました」。左中間席中段への推定飛距離130メートルの2号2ラン。日本選手では02年の近鉄・中村以来、16年ぶりに2試合連続アーチをマークした。

 5番から4番に昇格した柳田が、18年ぶりの12得点の主役を担った。初回2死二塁で先制適時打を左翼線にはじき返し、5回無死二塁の第3打席でも左中間にタイムリーを放った。試合をまたいで圧巻の4打席連続打点をマークすると、6回1死の第4打席でも中前安打。全て第1ストライクを仕留めた5打席連続ヒットのまま、ベンチに下がった。

 「あまり打ちたいと思ったら体が前に突っ込むし、リラックス、リラックスです」。02年の西武・松井以来となる1試合4安打で4打点。2試合で2本塁打を含む7打数5安打6打点の活躍に、MLB選抜の松井一塁コーチも舌を巻いた。

 「みんな止められないと話している。センターから逆方向にあれだけ打てるのは、今までの日本人打者には見られなかった」。日米通算507本塁打をマークしたゴジラも左手の押し込みを重視し、逆方向への長打量産を究極のテーマに掲げてきた。技術的な難しさも知るからこそ、素直に賛辞を贈った。

 敵軍のマッティングリー監督は「柳田は危険な選手だ!」と恐怖を口にした。MLBナインからも「ヤナギタは何者だ。何歳なんだ!」と驚きの声が上がっている。相次ぐ反響に柳田は「すごく光栄ですし、いいアピールをしたいと思っている」と米大リーグへの憧れを改めて口にした。順調にいけば20年シーズン中に海外FA権を取得する見込み。日米野球からメジャーに旅立ったダブル・マツイの系譜をギータが継ぐかもしれない。(表 洋介)

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