【侍ジャパン】岡本、最年少２２歳４か月４番締め！激動の１年また伝説

◆日米野球第６戦　ＭＬＢ１―４侍ジャパン（１５日・ナゴヤドーム）

　日米野球最終第６戦がナゴヤＤで行われ、巨人の岡本が、０８年秋の「侍ジャパン」発足以降では最年少となる２２歳４か月で４番を務めた。これまでは１５年「プレミア１２」の筒香の２３歳１１か月が最年少だった。第５戦で、松井秀喜に並ぶＶＳ全米代表戦最年少弾を放った若き大砲が、また歴史に名を刻んだ。試合は２回に源田の３点三塁打などで４点を先制した日本が快勝。ＭＬＢ選抜相手では史上最多となる５勝目を挙げて、メジャーの猛者たちを圧倒した。

　ついにこの時が来た。試合前のスタメン発表。「４番　サード　岡本和真」の名前がコールされると、スタンドの大歓声とともに背番号８がグラウンドへ駆け出した。０９年の侍ジャパン発足後では、史上最年少２２歳４か月での日の丸の４番誕生となった。

　初回２死一塁の第１打席。岡本は左腕ジョンソンの高めカーブに詰まらされたが、打球は三塁へのボテボテのゴロとなり、全力で一塁を駆け抜け内野安打をもぎ取った。出場３戦連続安打＆代表４番初安打をマーク。「（４番でも）特にやることは変わらない。勝ったことが一番よかったです」とうなずいた。

　第５戦で侍ジャパン初本塁打を含む２安打を放ったことや、チームが２大会連続の勝ち越しを決めたことを受け、稲葉監督は野手最年少を４番に据えることを決断。「４番という責任を感じず思い切ってやってほしい」と送り出した。大砲は内野安打後は３打席凡退に終わったが「ジャパンの４番というプレッシャーを感じてくれるだけでいい。本人がどう生かしていくか楽しみ」と期待した。

　岡本にとって、激動の１年が終わった。開幕スタメンすら確保されていない状況から打撃でアピールを続け、２年連続開幕スタメン、巨人の第８９代４番の襲名、史上最年少での「３割、３０本塁打、１００打点」の達成。そして１８年シーズンの締めくくりで日本の４番となった。「誰もこうなるなんて思っていなかったですよね？　僕ですらそう思います」と振り返るほどだった。

　ただ、誰も予想できない成長曲線を描いた結果、侍ジャパンでも一目を置かれる存在となった。今季４７本塁打でパ本塁打王の山川は、３戦目から共に全体練習前に早出でティー打撃を続けてきた。「バットの動き、足の動き、腰の動きがずっと一緒。きれいですよね。下半身はどっしりしている。足もでかい（太い）し、練習をたくさんしないとああはならない。参考にしたいスイング」とべた褒め。１０日間の代表期間で、他の選手にも刺激を与えていた。

　巨人の原監督は来季の岡本を「４番・サード」で起用する意向を示している。来季以降はさらにマークも厳しくなるが「またしっかりと足元を見つめ直して結果を出せるように。（今後も）選んでもらえるように頑張りたい」と話す岡本に慢心はない。１９年のさらなる飛躍を経て、２０年東京五輪へ。誰もが認める日本の４番へと成長していく。（後藤　亮太）

　◆今季の岡本

　▼オープン戦　打率２割６分７厘、４本塁打。１７戦で１５打点は１２球団トップ。

　▼３月３０日　開幕の阪神戦は「６番・一塁」で無安打。

　▼同３１日　開幕２戦目の阪神戦で今季１号など４安打５打点。

　▼６月２日　オリックス戦で第８９代４番。初打席で本塁打。

　▼７月５日　ＤｅＮＡ戦で３２打席連続無安打もようやくトンネル脱出。

　▼同１３、１４日　初球宴。初戦「８番・一塁」で無安打。２戦目は代打で三振。

　▼９月１４日　ＤｅＮＡ戦で右手親指付近に死球を受け交代。翌日から強行出場も５戦無安打。

　▼１０月９日　阪神との最終戦で２発３打点。最年少での打率３割、３０本、１００打点を達成。

　▼同１９日　ＣＳ最終Ｓ第３戦。今ステージ１１打席目で初安打も３戦計１２打数１安打。