【侍ジャパン】稲葉監督、東京五輪手応え5勝…対MLB選抜史上最多

スポーツ報知
最終戦も勝利で飾り、ハイタッチを交わす岡本(右から2人目)らナイン(カメラ・池内 雅彦)

◆日米野球第6戦 MLB1―4侍ジャパン(15日・ナゴヤドーム)

 日米野球最終第6戦がナゴヤDで行われ、巨人の岡本が、08年秋の「侍ジャパン」発足以降では最年少となる22歳4か月で4番を務めた。これまでは15年「プレミア12」の筒香の23歳11か月が最年少だった。第5戦で、松井秀喜に並ぶVS全米代表戦最年少弾を放った若き大砲が、また歴史に名を刻んだ。試合は2回に源田の3点三塁打などで4点を先制した日本が快勝。MLB選抜相手では史上最多となる5勝目を挙げて、メジャーの猛者たちを圧倒した。

 五輪を見据えつつ、勝ちにこだわる―。一見して相反する2つのテーマへの挑戦は、一定の成果を上げた。MLB選抜相手では史上最多の5勝1敗と大きく勝ち越し、稲葉監督はバッテリーの配球やスピードを生かした攻撃に手応えを得た。

 【配球】6試合で被本塁打10。逆方向への長打が目立ち、捕手の森は「日本と違い外角がセオリーではない」と痛感した。稲葉監督は「打たれた後も攻められるか」を求め、「内角の重要性を分かってくれたと思う」と、収穫要素を挙げた。カーブやフォーク、チェンジアップなど縦変化の有用性も再確認した。

 【動くボール対策】首脳陣は打席の投手寄りに立つなど、失敗を恐れず工夫するよう推奨した。秋山は足の上げ方を小さくして適応。指揮官は「動いて強くて速い球は強引に行くと引っかける。強引にならないこと」と、一つの結論に至った。

 【1点への意識と足攻】「取れる時に取らないと。無死二、三塁、二ゴロで1点入ってなお三塁という形、1点の取り方を作っていかないと」。第1戦後に指揮官はそう反省したが、試合を重ねるごとに1点への意識は高まった。モリーナ擁するMLBから計7盗塁と、「スピード野球」(稲葉監督)が通用する確信も得た。一方で「スモールベースボールとは言わない。世界に勝つにはパワーも必要」とも強調した。

 U―23W杯から指揮を執り、作戦面の意思疎通にも自信を深めた。「前に進めたと感じる」という指揮官の言葉通り、2020年に向けて稲葉ジャパンが着実な前進を示した6試合だった。(宮脇 央介)

 ◆稲葉監督、海外視察 侍ジャパンの稲葉監督が15日、来年11月の「プレミア12」、2020年東京五輪に向けて、海外視察を行う意向を明かした。「来年も1年かけて選手を見ていく。海外で対戦相手の視察も考えている」と話した。

 また、来年3月にはメキシコとの強化試合を京セラDで2試合実施する。侍ジャパンは来年3月のメキシコ戦、11月のプレミア12、20年春の強化試合を経て五輪に臨む予定だ。

 ◆東京五輪5人減登録選手24人に 日米野球はベンチ入り29人だったが、2020年東京五輪では登録可能選手が24人と限られる。投手では先発と救援双方をこなす存在、野手でも複数ポジションを守れるユーティリティーが重宝される。08年北京五輪では投手10人、捕手3人、内野手7人、外野手4人の内訳だった。稲葉監督は「19年プレミアも五輪も人数が限られるため、迷うことになる」と、今後は選手の絞り込みを進めることになりそうだ。

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