【楽天】石井ＧＭ敏腕発揮、ＦＡ浅村を口説き「どうしても来て頂きたいプレーヤーだった」

　楽天・石井一久ゼネラルマネジャー（ＧＭ、４５）は２１日、本拠地の楽天生命パーク内で取材に応じ、西武から国内フリーエージェント（ＦＡ）権を行使した浅村栄斗内野手（２８）の獲得に成功したことを明かした。

　前日（２０日）の午後７時３０分頃に「言葉で言い表せないくらい悩みましたけど、お世話になって、勝負したいと思います」との電話が浅村本人から石井ＧＭに入ったという。かつてのチームメート獲得にＧＭも「うれしかったし、ホッとした。どうしても来て頂きたいプレーヤーだったので。（浅村が来るか来ないか）それによってチーム作りが全然違う方向に向かわないといけない場面だった。浅村選手からそういう言葉を頂けたのは自分にとってもイーグルスにもいい答えでよかった」とうなずいた。

　石井ＧＭは１８日に都内で浅村と約２時間、交渉。西武で着けていた背番号「３」を用意し、４年２０億円超と見られる大型契約を提示した模様だ。西武に宣言残留の可能性を残し、オリックスとソフトバンクも獲得に乗り出していたが、二塁の守備と打撃力にほれ込んだことや、移籍が成長につながることなどを自身の経験も交えながら猛アピール。交渉後には「感触ですか？　感触があったらお伝えしますけど、よく分からない。実際手にする物でもないので」と不安な胸の内を明かしていたが、熱い思いは浅村のハートを射止めた。

　これまでチームの編成面で力を持っていた星野仙一副会長が１月に他界。今季最下位に沈んだチーム再建へ向けて、今年９月に石井ＧＭが就任した。１０月のドラフト会議で辰己（立命大）を４球団の競合の末、引き当てた“初仕事”に続いて、浅村の獲得にも成功。早くも敏腕ぶりを発揮している。