守備データで選んだ“ベストナイン”はこれだ…アナリストらが独自に分析、選考

2018年12月15日12時0分  スポーツ報知
  • DELTA社選定の布陣

 今季のセ・パ両リーグの守備のスペシャリストに贈られる「第47回 三井ゴールデン・グラブ賞」は巨人・菅野智之投手(29)をはじめ、セ・パ18選手が選ばれた。現場で取材する記者投票の同賞に対し、野球データ分析専門会社「DELTA」では、セイバーメトリクスの守備指標などをベースにアナリストらが独自に分析、選考したラインナップを同じ時期に公表している。今回は同社の協力を得て、守備の新しい見方を紹介する。(構成・田中 孝憲)

 DELTA社の選定は、各ポジションで500イニング以上(投手に関しては規定投球回以上)守った選手が対象。両者の受賞者一覧を比べると、ソフトバンク・松田宣ら両方に選出された選手もいれば、片方だけの選手もいるのが興味深い。どちらの見方が優れているというのではなく、野球にはさまざまな見方があるということを楽しんでもらいたい。グラフなども多用した分析詳細はDELTA社ホームページの特集コーナー(https://1point02.jp/)でも読める。

 今回ぜひ知ってもらいたいのは「UZR」(Ultimate Zone Rating)というセイバーメトリクスの指標だ。

 従来から守備の指標として「守備率」があった。守備機会に対する失策をしなかった割合で、単純な計算で導けた。問題点は、例えば同じゴロでも簡単なゴロと難しいゴロの区別がされていなかったこと。

 そこで考え出されたのが「UZR」。「同じ守備機会を同じ守備位置の平均的な野手が守る場合に比べて、どれだけチームの失点を防いだか」を意味している。計算は少々ややこしく、数値を単純に叩き出せない。だから「野球データ専門会社」の出番となる。

 基本となるのは、打球1つ1つをグラウンド上のどのゾーンに飛んだかを記録したデータ。さらに打球の類型ごとに、そのゾーンで平均的にアウトにできる見込みを求める。そして、選手が「平均的な見込み」とどれくらいの差があるか比較していく。

 その上で、内野手なら併殺、外野手なら強肩を生かした補殺や走者の進塁を抑止した評価なども組み入れられる。そうして導かれた数値が「UZR」だ。

 そのため、ポジションが異なる選手同士での比較はできない。また同一選手でも、複数のポジションに就く場合は、それぞれの守備位置で評価がなされる。

 こうした「UZR」を見る上で注意しておきたいのは、次の2点だ。

 〈1〉日本で「UZR」を一般に公表しているのは、DELTA社とデータスタジアム社の2社。DELTAはリーグ区分なく12球団のデータを元に計算しているが、データスタジアムはリーグ別の数値をベースにしている。そのため、「UZR」の数値が異なっている。

 〈2〉出てくる数字は守備の「質と量」を反映したもの。もし同じレベルなら、出場数が多い選手の方が評価が高くなる。そのため、純粋に質だけを比較するためには、守備イニングで割るなど守備機会の量をそろえる工夫が必要になる。

 ◆DELTA 2011年に設立されたプロ野球データ分析専門の会社。球団への戦略・戦術データの提供のほか、アナリストによる球団サポートも行っている。また一般ファン向けにはWEBサイト「1.02 Essense of Baseball」でセイバーメトリクス指標を有料公開している。

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