【日本ハム】輝星、力7割フォーム5割で140キロ超…クイック多投の理由は

スポーツ報知
ブルペンで投球練習を行った吉田輝(カメラ・川口 浩)

 日本ハムのドラフト1位・吉田輝星投手(18)=金足農=が21日、千葉・鎌ケ谷の新人合同自主トレで2度目のブルペン入り。捕手を立たせた状態で、この日解禁したスライダーを含む44球を投げ、半分以上は苦手とするクイックで投げ込むなど実戦モード全開となった。合間にはカーブを挟む、元巨人の桑田真澄氏(スポーツ報知評論家)や巨人・菅野も取り入れる調整法も披露。ブルペン捕手を「140キロ中盤くらい出ている」と驚がくさせた投球を、日本ハム担当・小島記者が「見た」。

 輝星の指先を離れた白球が、次々と捕手のミットに収まった。18日以来のブルペン投球。室内練習場に乾いた捕球音がこだました。初解禁のスライダーを含む44球を投じ、「(力の入れ具合は)7割くらい。フォームも50%くらいの出来だったけど、結構いい球が投げられている」とうなずいた。

 私は市船橋高時代に捕手として、現ソフトバンクの岩崎翔投手(29)の球を受けた経験がある。自然と捕手目線でルーキーの投球に注目すると、投球の半分以上で一塁走者をけん制するように首を動かしながら、クイックで投じる様子が気になった。

 意図を問うと、輝星は当然といった様子で答えた。「クイックが苦手なので、高校の時も基本はクイックで投げていました。(走者を)もっと意識する時もありますけど、今日は軽く意識した」。初体験のキャンプへ向けて状態を上げていくだけでなく、新人合同自主トレ中に欠点修正に取り組む姿勢に驚かされた。

 高卒新人離れしたクレバーさも感じた。この日の44球のうち直球25球、カーブ13球、スライダー6球を投じ、直球を数球投じた後にはカーブを挟んだ。これは桑田氏や菅野が取り入れる方法で、途中でカーブを投げることでリリースポイントを修正する狙いがある。

 輝星はさらにもう1つの狙いを持っていた。「(直球に比べ)一番、球速差がある球で腕を振ることによって、直球も勝手に腕が振りやすくなる」。持ち味の浮き上がるような直球をより生かすためのすべを身につけていることが、昨夏の甲子園準Vという結果につながっているのだと感じた。

 終盤には左足を上げ、軸足に体重を乗せたフォームでも投球。力強い直球に、松本ブルペン捕手は「140キロ中盤くらい出ているんじゃないか」と驚がくした。だが、輝星は「下半身の使い方が甘い。そこが直ればもっといい球がいく」と冷静だ。状態を上げて捕手を座らせた時、どれほどの投球が見られるのか―。(日本ハム担当・小島 和之)

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