【日本ハム】王柏融、6種類のティー打撃「自分で調整していく」

スポーツ報知
バットを二本持ち素振りをする王柏融(カメラ・中島 傑)

 【スコッツデール(米アリゾナ州)29日=ペン・小島和之、カメラ・中島傑】台湾・ラミゴから加入した日本ハムの王柏融(ワン・ボーロン)外野手(25)が、合同自主トレに参加し、移籍後初となる打撃練習を行った。台湾球界で2度の打率4割を記録した強打者は、球の角度などを変えた6種類のティー打撃を披露した。その打撃練習を、市船橋高(千葉)時代に捕手を務めていた日本ハム担当・小島記者がひもといた。

 17年に打率4割7厘、31本塁打、101打点で三冠王を獲得した強打者がベールを脱いだ。打撃ケージの王を観察すると、6種類のティー打撃を行っていることが分かった。内容は〈1〉左手一本〈2〉右手一本〈3〉ノーステップ〈4〉体の真横からのトス〈5〉右足を踏み出して内角打ち〈6〉右足を引いて外角打ちの順。記者はそれぞれの狙いをこう分析する。

 〈1〉、〈2〉は〃左打ちの巨人・丸ら、好打者も取り入れる練習法。片手のみで打つことで脇のしまりを意識することができ、バットが最短距離で出る「インサイドアウト」を確認できる。〈3〉は軸足に体重を乗せた時にしっかりとトップを作る意識を持つことが狙いだろう。

 〈4〉は、上体が前方に突っ込まず、ミートポイントまでしっかりとボールを呼び込んで振り抜く形を作ることができる。

 〈5〉は右足の位置を変えることで、内角球を腰をしっかりと回して引っ張る形を作る。これも丸が行う練習法だ。〈6〉は〈5〉の逆バージョン。スイング後は右足にしっかりと体重が乗る形になり、逆方向へ打球を押し込む意識が見て取れた。

 約30分間、正面からのティー打撃などを含めて全204スイング。王は「自己流。自分の調整法として取り入れている」と説明した。〈1〉、〈2〉、〈3〉で無駄のないスイングとトップの形を作り、〈4〉では変化球でタイミングを外された際の上体の突っ込み防止が見込める。この取り組みが、広角に安打を放つ技術力を支えるのだろう。

 台湾からの移動もあり、打撃練習は5日ぶり。「体の慣れを確かめた。(キャンプまで)自分で調整していく」。本調子となった時、、どんな芸術的な打撃を見せてくれるのか楽しみだ。(小島 和之)

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