【阪神】ベテラン・福留孝介が若手5人に“サプライズ”打撃投手

スポーツ報知
糸原(右)を相手に打撃投手を務めた福留

 大ベテランの阪神・福留孝介外野手(41)が2日、若手野手の特打で“サプライズ登板”した。打撃投手として糸原、北條ら5人に投げ込んだ。予定になかった投手・福留に、週末で多くのファンが詰めかけたスタンドから大歓声が起きた。

 特に客席を沸かせたのが、糸原との「新旧キャプテン対決」だ。打席に入る際から互いを強く意識した様子で、快音が出れば糸原が喜び、福留が悔しがった。「ありがたいこと。感謝しながら打ちました。100点満点のボールが来ました」。今季から重責を担う糸原は、前主将からの“無言のエール”に感激した。

 福留は「何が? 別に」と素っ気なかったが、実は自らの意思での登板だった。「肩作りがしたいから」と首脳陣に申し出たという。過去にもキャンプ中の打撃投手の経験はあるが、2日目という早さは異例。矢野監督がキャンプイン前日の全体ミーティングで、福留、糸井の名を挙げ「2人をどうやって追い抜くか、を考えてやっていかないと」と実績不問の競争を指令したが、福留は即応するように仕上がりの早さを示した。

 同時に、若手を刺激する効果も十分で、矢野監督は「ありがたいと思うよ」と最敬礼した。指揮官の意図を理解する大ベテランの心憎い“男気”。フリー打撃では50スイングでサク越え2本だったが、自主的に守備練習でも動き回るなど元気いっぱいだった。4月には42歳を迎える背番号8。キャプテンの肩書は外れても、やっぱりチームの中心だ。(嶋田 直人)

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