【楽天】新戦力〈8〉“完全男”鈴木翔天、投げっぷりに首脳陣高評価

スポーツ報知
金武キャンプのブルペンで投げ込む楽天・鈴木

◆ドラフト8位・投手 鈴木 翔天(22)=富士大=

 富士大の“完全男”は、やはりただ者ではない。金武キャンプ3日目の13日、ブルペン入りして約80球の本格投球。しなやかな左腕の振りから伸びのある直球をビュンビュン投げ込む。受けた伊志嶺忠ブルペン捕手(33)の表情が思わず緩んだ。「今のはいい。ナイスボール」。久米島キャンプでは高めに浮いていた直球を低めに集め、修正能力の高さをうかがわせた。「肘の心配がもうないことが大きい」と充実感を漂わせた。

 富士大3年時に、140キロ超の直球とチェンジアップなどを駆使して、北東北大学秋季リーグ・八戸工大戦で史上初の完全試合を達成した。同リーグのライバルだった巨人のドラフト1位・高橋優貴投手(八戸学院大)と並び、大学トップクラスの左腕と称された。

 しかし左肘痛を発症し、4年春はリーグ戦の登板を回避。その影響からドラフトではまさかの下位指名となったが、平石洋介監督(38)は「いいものを持っていることは分かっていた」。ブルペンでの投球を見守った伊藤智仁1軍投手コーチ(48)は「投げっぷりがいい。楽しみな存在」と期待を込めた。

 石井一久ゼネラルマネジャー(45)から久米島キャンプ中に「いろいろなことを(周囲に)言われると思うけど、自分の思うようにやっていい」と言葉をかけられたという。新人では異例とも言える“オレ流”を許可されたのも、素質を高く評価されているからこそ。「低めがたれたりするので、もう少し精度を上げて行きたい」と左腕。焦ることなく、調整を続けていく。

 ◆鈴木 翔天(すずき・そら)1996年8月19日、横浜市生まれ。22歳。小学3年から野球を始め、万騎が原中では「瀬谷シニア」に所属。向上高では外野手兼投手として3年の春、夏ともに神奈川大会準優勝。富士大では1年春にリーグ戦初出場。3年秋のリーグ戦で完全試合を達成。184センチ、77キロ。左投左打。

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