【阪神】矢野監督・高橋由伸氏対談3 矢野監督「すごい打者でした」由伸氏「ぐしゃぐしゃにやられました…」

スポーツ報知
矢野燿大監督(左)にインタビューする高橋由伸・スポーツ報知評論家(カメラ・渡辺 了文)

 阪神・矢野燿大監督(50)と巨人前監督の高橋由伸氏(43)=スポーツ報知評論家=の対談がこのほど、阪神キャンプ地の沖縄・宜野座で実現した。互いに監督を引き受けた理由や、現役時代の思い出話を披露。矢野監督は巨人・岡本のような「日本人4番」の育成にも意欲を燃やした。(取材・構成=水井 基博、長田 亨)

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 由伸氏(以下・由)「その岡本がいるジャイアンツも新戦力が入って、厚みが出た印象です」

 矢野監督(以下・矢)「怖さとかはありますけど、もちろん負けるつもりでやるわけでない。バッテリーは正々堂々と、しっかり向かっていきたい。攻めた結果、打たれるのは仕方ない。僕も強いジャイアンツと戦う時にいつも、言い聞かせてきましたから。現役時代はお互いに、あまり話さなかったよね? 古い考えかもしれないけど、捕手というポジションで(他球団の選手と)仲良く話すことはできなかった」

 由「それは僕も同じで。仲良くするのは悪いことではないんですけど、これから試合をするというのがありましたから。特に矢野さんや捕手の方に、何か悟られたくないというのがあって。打席ではずっと投手とかを見ているんですけど、表情から何か感じられるのが嫌で…。だから、なるべく後ろを向かないようにしていたんです。僕の印象はどうでした?」

 矢「そりゃもう、すごい打者でしたよ。阪神が優勝した2003年で言えば、あのジェフ・ウィリアムスを打つのは、高橋さんと稲葉さんぐらい。東京ドームでも(逆転サヨナラ2ランを)打たれたましたし。『えげつない打者が入ってきたな」と。足をパッと上げられた瞬間に『うわ、打たれる』みたいな。感じるんですよね。雰囲気というか。最後はまだ現役でやれたましたよね?」

 由「いえいえいえ…。お世辞じゃないですよね?(笑い)。僕が一番嫌だったのは、下柳さんと矢野さんのコンビ。ぐしゃぐしゃにやられました…(笑い)(通算6年間で打率1割4分1厘、1本塁打、5打点)」

 矢「インコースに行くしかなかったよ(笑い)。そこしか攻めどころがなかった。そこに投げないと打たれますから」

 由「下柳さんと遠山さんにこっち(内角)ばっかり突っ込まれて、ぐしゃぐしゃにされました。詰まらされて、同じような球速でスライダーを投げられて、ワンバウンドを振らされる。とにかく非常に伝統あるチーム同士の戦いですから。互いに時間をかけてつくった伝統を守り、また新しい伝統、伝説を作っていかなければいけない。魅力のあるチームでいなければいけないですよね」

 矢「ファンの人は、特にジャイアンツに対する意識が強い。僕自身も、目の前の一番のライバルだと思っています。ジャイアンツを常に意識して戦うことで優勝にも近づいてくる。そう思えるチームですから。目いっぱいぶつかって、最低でも勝ち越したい。去年は最下位でしたけど、僕たちにとっては終わったこと。もちろん優勝、日本一、さらにファンを喜ばせたいのが目標なので。これから帰られる、変えていける、魅力のあるチームになっていけると思っています」

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