【日本ハム】ドラ6田宮“ゆあキャノン”で“初補殺”「絶対刺してやろうと」

スポーツ報知
7回から捕手の守備位置につく田宮(カメラ・中島 傑)

◆オープン戦 日本ハム0―0DeNA(3日・札幌ドーム)

 日本ハムのドラフト6位・田宮裕涼(ゆあ)捕手(18)=成田=が3日のDeNA戦で“ゆあキャノン”をさく裂させた。初の対外試合に7回の守備から出場。8回無死一塁からスタートを切ったDeNAの俊足・宮本を弾丸のような送球で二塁で刺した。札幌市出身のドラフト7位・福田俊投手(22)=星槎道都大=は8回に救援し、1回無失点。新人5選手が札幌Dデビューを飾った。

 あいさつ代わりの“ゆあキャノン”をお見舞いした。8回無死一塁。田宮は狙っていた。「あそこが自分のいいところなので。絶対刺してやろうと」。代走で登場したのはDeNAの俊足・宮本。1球けん制を挟んだ後、初球からスタートを切ったその瞬間、発射スイッチが入った。

 逆球だったが関係ない。体勢を崩しながらも、矢のようなストライク送球を二塁へ。ベース手前でゆうゆうアウトにしてみせた。高卒1年目らしからぬ、堂々とした送球で札幌Dの選手、首脳陣、ファンの視線を独り占めした。二塁到達自己最速は1・84秒。本家キャノンのソフトバンク・甲斐の1・71秒には劣るが、1軍で通用する強肩を発揮。試合後、“初補殺”記念球をプレゼントされ「出来る限りのことはやれました」と振り返った。

 落ち着いていたように見えても、頭の中はパニックだった。7回は玉井をリードし三者凡退。だが8回にサインが飛んだ。先頭に四球を出した後、タイムを取ってマウンドの福田へ声をかけに行ったのは、実はサインの確認。「テンパッて忘れちゃって。四球だったのでちょうどいいやと思って」と苦笑い。表情には無事デビュー戦を終えた安堵(あんど)も浮かんでいた。

 初打席は3球の空振り三振も、栗山英樹監督(57)は「スローイングが目立ったけど、打つことも捕手としてもバランスがいい」と絶賛した。この日の登場曲は自ら選んだものではなかったが、1軍昇格の暁には、きゃりーぱみゅぱみゅの「原宿いやほい」が第1候補。「投手に信頼される捕手になりたい」と目を輝かせる田宮が、ポップなリズムで札幌Dに登場する日は近いかもしれない。(秦 雄太郎)

 ◆田宮 裕涼(たみや・ゆあ)2000年6月13日、千葉・山武市生まれ。18歳。小学1年の時、山武ブリスキーボーイズで野球を始める。山武中では佐倉シニアに所属し3年時に全国制覇。成田高では1年秋から正捕手。主将として臨んだ3年夏の東千葉大会では決勝で敗れた。50メートル6秒0、二塁送球は1・84。家族は両親と妹。174センチ、77キロ。右投げ左打ち。年俸480万円(金額は推定)

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