【DeNA】ドラ1上茶谷、開幕ローテ確実 4回完全にラミレス監督「グレートジョブ!」

スポーツ報知
力投する先発の上茶谷

◆オープン戦 中日0―5DeNA(7日・ナゴヤ)

 DeNAのドラフト1位・上茶谷大河投手(22)=東洋大=が中日戦に先発し、4回をパーフェクト。実戦3試合で計8イニング1安打無失点として開幕ローテーション入りを確実なものとした。

 開幕カードで戦う中日を完璧に抑えたことで、29日からのホーム3連戦でデビューする可能性も浮上。その後を受けたドラフト3位・大貫晋一投手(25)=新日鉄住金鹿島=も4回無失点とローテ入りへアピールした。

 もはや上茶谷はマウンドで風格すら漂わせていた。初の同一リーグとの対戦で4回完全投球。隙が見えない投球でナゴヤ球場に詰めかけた中日ファンを黙らせた。これで実戦3戦8回無失点。それもわずか1安打で四死球0。「オープン戦で抑えてもリーグ戦で打たれたら意味がない。気にしていないです」と、冷静すぎるコメントにすごみがあふれていた。

 決して万全ではなかったがそれでも抑えた。「直球が良くなくて、力みでワンバウンドや抜けたりしていた。だいぶ変化球頼りになった」と振り返る。最速は145キロ止まりでカット、チェンジアップで的を絞らせなかった。唯一、痛打されたのは2回1死、大島にセンター返しを食らったがグラブで瞬時に反応し、投直に抑えた。「甘めにいったボールは簡単に捉えられる」と反省も忘れなかった。

 ラミレス監督は「グレートジョブ! 昨年の東に似ている。6、7回は難なくいってくれる雰囲気を醸し出している。このままけがなくいってくれたらローテに入る可能性はかなり高い」と昨季の新人王に重ね合わせて太鼓判を押した。開幕投手は今永が最有力。レギュラーのそろう打線に完全投球をしたことで、ホームの開幕カード中日3連戦中の2、3戦目(30、31日)でデビューする可能性も出てきた。

 抜群のコントロールに動じない心はすでに2月からだった。トラックマンデータによると、上茶谷のキャンプ中のリリースポイントの安定性はチームトップクラス。いつも同じフォームを再現できるからこそ制球力も高い。

 また、沖縄・宜野湾キャンプでは地元の歓迎会に出席。新人は自己紹介をするが、そこに「皆さんのおかげでいいキャンプが送れています」となどと感謝をアドリブで付け加えた。三原球団代表は「普通は大勢の前でなかなか言えない。しっかりしている」と人間性も評価していた。

 順調にいけば、残り2度の登板を経て開幕を迎えることになりそうだ。「簡単にカットされたり、足りないものを感じた。けがなく1年間戦えるようにしっかり練習したい」。大学の同級生、ソフトバンク・甲斐野は剛速球を武器にするが、上茶谷は心技体万全で開幕へ進んでいく。(岸 慎也)

 ◆上茶谷 大河(かみちゃたに・たいが)1996年8月31日、京都府生まれ。22歳。京都学園高では甲子園出場はなし。東洋大3年までは未勝利も、昨春リーグ新記録の20奪三振をマークするなど6勝を挙げMVPに輝いた。18年ドラフト1位でDeNA入団。181センチ、83キロ。右投右打。年俸1500万円。

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