【日本ハム】大田泰示、連発 3戦4発「バットを振るんじゃなく、バットに振らせてあげる感じ」

スポーツ報知
3回無死、大田は右中間にソロを放ちベンチ前でナインにポーズする(カメラ・小梶 亮一)

◆オープン戦 オリックス7―5日本ハム(10日・京セラドーム大阪)

 “キング大田”だ。日本ハム・大田泰示がオリックス戦(京セラD)で2打席連続本塁打を放った。3回に外角直球を右中間スタンドへたたき込むと、5回には左中間5階席に特大アーチ。前日から四球を挟んで3打数連発。ここ3戦で4本塁打と絶好調。6打席連続出塁中で打率5割5分6厘と勢いは止まらない。巨人時代は未完の大器と呼ばれた男が、目標のシーズン30発へ着々と牙を研いでいる。

 夜には侍ジャパンが戦う京セラドームで、大田がワールドクラスの豪快弾を連発した。3回に榊原の144キロを逆方向の右中間スタンドに運ぶと、続く5回には荒西のスライダーを左中間5階席に放り込む連続ソロ。6日のロッテ戦(鎌ケ谷)、9日の阪神戦(甲子園)に続き、3戦連続・計4発の大暴れだ。

 「自分でバットを振るんじゃなくて、バットに振らせてあげる感じ」。前日から四球を挟んで3打数連発。6打席連続出塁中と絶好調の要因を、和製大砲はユニークな言い回しで表現した。巨人の8年間で花咲かず、日本ハムに移籍した一昨年から15発、14発とプチブレイク。もがき続けた10年間を経て、「泰示流」ともいえる独自の打撃観を構築した。

 「甘い球なのに『来た~!』って力んでミスショットしていた」反省から、打席では心身ともに“脱力”を心がけている。「バットの重さを意識しながら、八分の力で芯に当てる」。元々パワーは一級品。当たれば飛ぶ。力みが消えたことで、飛距離は変わらず確実性がアップ。オープン戦全6試合で安打を放ち、計18打数10安打、打率5割5分6分と快打が続いている。

 経験を重ね、したたかな読みも身につけた。1発目は「初球がカーブ。速球に自信がある投手だと思ったので」次の真っすぐを狙い打ち。2発目は「(2ストライクに)追い込まれてから、変化球も頭に入れて粘るうちに甘い球が来た」と、投手との駆け引きをしながらアーチを描いた。打てる球を待ち、しっかり叩く。「(ストライクゾーンの)四隅に来たら打てないんだから」と、“悟り”に近い境地にもたどり着いている。

 オープン戦では1、2、3、6番と打順が変わっている。超攻撃型2番か、離脱の清宮に代わる中軸か。「いろいろ考えていく」という栗山監督のうれしい悩みは、開幕直前まで続きそうだ。(星野 和明)

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