【日本ハム】ドラ1吉田輝星、真っ向勝負0封デビュー 沸いた鎌ケ谷最多1306人

スポーツ報知
7回無死一塁、岩見から空振り三振を奪う吉田輝(カメラ・矢口 亨)

◆イースタン春季教育リーグ 日本ハム5―0楽天(12日・鎌ケ谷)

 日本ハムのドラフト1位・吉田輝星投手(18)=金足農=が12日、対外試合初登板で1回無失点デビューを飾った。イースタン春季教育リーグ・楽天戦(鎌ケ谷)に7回からマウンドに上がり、最速146キロの直球で三振を奪うなど躍動。中日のドラフト1位・根尾昂内野手(18)=大阪桐蔭高=はウエスタン同リーグのソフトバンク戦(ナゴヤ)に「6番・遊撃」で先発し、第3打席で二塁内野安打。実戦3試合、7打席目で“プロ初安打”をマークした。

 実戦モードになった輝星の直球に、楽天・岩見のバットが空を切った。先頭を四球で出した7回無死一塁。「逆に『試合やってるんだな』って試合勘が戻ってきた」。スイッチが入り、全球ストレートで追い込むと、高めのこの日最速146キロで空振り三振。「球速以上に自分の求めているキレとかが感じられた」。納得の1球でリズムをつかんだ。

 真っ向勝負を挑んだ。全20球中18球が直球。その後の一、二塁のピンチも、前巨人・橋本のバットを内角低め直球で砕き、二ゴロ併殺で無失点に抑えきった。「回転のきれいな、伸びる質のいいボール。スピードは違うけど、質感は千賀と似てるなあ、と思った」。2月末に対戦したばかりのソフトバンクのエースを思わせる直球に、橋本もうなるしかなかった。

 平日開催の教育リーグでは球場最多記録544人の2倍以上となる1306人が、輝星の“鎌ケ谷デビュー”を見ようと駆けつけた。スタンドに“金足農カラー”紫色の自身のグッズタオルを見つける余裕もうかがわせ「うれしかった」とはにかんだ。

 実戦に強い。金足農では1年夏前の練習試合で対外試合初登板。2回程度を投げ「全員三振だったと思います」と鮮烈デビュー。「ストレートの質には自信があった。(背の)小さな投手が出てきて、なめられているなって」と負けん気の強さと直球の質は当時から。ほぼ直球で全打者を三振に仕留め、Aチーム入りの権利をつかんだ。

 真っ向勝負の姿は、プロでの“デビュー”も高校1年の姿と変わらない。次戦は19日のイースタン・ヤクルト戦(鎌ケ谷)に中継ぎで2回を投げる予定。加藤武治2軍投手コーチ(40)は、今後は2回程度の登板を重ねた後、イニング数を伸ばしていく方針を明かした。

 右肘付近の張りで2月末に投球を回避したこともあり、直球も変化球も完成度はまだまだ。「この時期に試合するのは初めてなので。3月の終わりにはもっといい球がいくんじゃないかな」と輝星。背番号18の成長曲線もまだまだ伸びるはずだ。(秦 雄太郎)

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