【ヤクルト】村上、2戦連発「しっくり来た」開幕スタメン見えた

スポーツ報知

◆オープン戦 ヤクルト5―7ソフトバンク(17日・神宮)

 場内が一瞬静まった後、地鳴りのような歓声が村上に注がれた。2点を追う4回1死一、二塁のチャンス。高橋礼の内角直球をうまく回転して捉えると、打球は低い弾道であっという間に右翼席に突き刺さった。2試合連発の逆転3号3ラン。近未来の主砲候補が、目指す先にある開幕スタメンに大きく近づいた。

 「しっくりくる打席だったと思います。結果になって出てくれてよかったです」。16日の巨人戦(神宮)は2号を放ちながら、3三振。速球への対応に課題が残った。試合後には「ホームランバッターを目指すなら、後ろに軸がないといけない。村上は5対5か前にある」と宮本ヘッドコーチが付きっきりでロングティーを敢行。試行錯誤を続けながらも、確かに前進した。

 日の丸を背負った経験も糧にしている。9、10日に侍ジャパンのメキシコ戦に出場。打撃の組が同じだった巨人・岡本らと接する機会に恵まれた。「肌で感じる部分が多かった。打席、試合の入り方、考え方…。全ていい経験になりました」と振り返った。

 「出陣式」と銘打ったこの日は試合前に新入団選手の紹介が行われた。思えば、神宮に初登場し、いきなり2安打の鮮烈デビューを飾ったのはわずか1年前。今や、スタンドに背番号「55」のユニホームが目立つのも大きな期待の表れだろう。高卒2年目で開幕スタメンをつかめば、球団では64年の高山忠克以来、55年ぶり。「一打席一打席、内容ある打席を増やしていきたいです」。19歳は想像以上のスピードで飛躍を続けている。(田島 正登)

 ◆村上 宗隆(むらかみ・むねたか)2000年2月2日、熊本市生まれ。19歳。九州学院高で1年夏に甲子園出場。17年のドラフトで巨人、楽天と外れ1位で競合の末、ヤクルト入りした。昨年9月16日に高卒新人7人目のプロ初打席アーチ。188センチ、97キロ。右投左打。年俸800万円。独身。

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