【日本ハム】上沢「いい状態」で開幕だ 6回途中1失点「早く投げたいな」

スポーツ報知
DeNAとのオープン戦で5回2/3を1失点に抑えた日本ハム・上沢(カメラ・関口 俊明)

◆オープン戦 DeNA2―2日本ハム(21日・横浜)

 29日のオリックス戦で初開幕投手を務める日本ハムの上沢直之投手(25)が、開幕前最後の登板となったDeNA戦で先発し、6回途中1失点と安定感を見せた。試合前までオープン戦3試合11イニングで7失点と不安を残していた右腕。試合中に、自己最多11勝を挙げた昨季の感覚を取り戻し、初の大役を務める開幕戦への懸念材料を一蹴した。

 上沢のパズルが、ぴたりとはまった音がした。6回先頭の楠本。3ボール1ストライクからの5球目。真ん中低め145キロの直球が会心だった。「体重の乗ったボールを投げられていたし、(昨年は)こうやって腕を動かして、体重移動していたなって試合中にはっとした感じがあった」。一球で好感覚をつかむと、楠本は見逃し三振。続く中居も連続三振に仕留めた。

 春季キャンプ中に初の開幕投手起用を告げられたが、調整に苦しんだ。前回登板の13日の広島戦(マツダ)は4回7安打4失点。投球時の体重移動がスムーズにいかないなど、「いいところが見つからないくらい悪かった」としっくりこない感覚を吐露していた。「体も変わっていたのもある。投げ方もずれたりしていた。良いときの感覚を求めてながらやっていたら、だんだんひどくなっていった」と初の大役の重責を背負い、もがいていた。

 試合の中で感覚を取り戻した。初回には高めに浮いた球を楠本に被弾。「3回くらいまで正直しっくり来てなくて」。自らの感覚や中堅・西川が指摘してくれた投球時に前かがみになってしまう悪癖をイニング間で微調整した。「本当は5回で感じがいいときに終わろうかって話していたんですけど。シーズン入ったら長いイニング投げたいので『6回までいかしてください』って(直訴した)」。筒香に左前打を許し5回2/3で降板したものの、志願の延長登板が最高の仕上げにつながった。

 栗山英樹監督(57)は「開幕投手だから。こっちは信頼している。良いも悪いも関係ない」と絶大な信頼を口にした。日本一奪還へ重要な19年開幕戦。「かなり遅れましたけど、最後にいい状態に持って来たのはこれからの財産にもなる。札幌Dで投げるのは好きなので。早く投げたいな」と上沢。不安を一掃したエースが、満を持して3・29のマウンドに立つ。(秦 雄太郎)

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