報知アユ釣り選手権　小澤剛選手が優勝！

　「第４９回報知アユ釣り選手権オーナーカップ」決勝大会が３、４日に岐阜・益田岐阜・益田川川で開催された。全国７河川で行われた予選を突破した選手と歴代名人、歴代優勝者、シード選手、推薦選手を合わせた１１４人が出場。小澤剛選手（４８）＝豊田市、巴川遊鮎遊＝が念願の初優勝を飾った。同選手は第４９期報知アユ釣り名人位をかけて２２日、岐阜・馬瀬川で島啓悟名人（４６）に挑戦する。

　心からの笑顔が、日焼けした顔に浮かんだ。決勝戦の検量を終えた小澤選手。勝ったことを確かめると、大きく息を吐きながら汗をぬぐった。「やっと肩の荷が下りた。長かった」通算２０勝以上、あらゆる全国規模の大会を制してきた強者が、どうしても手にできなかったビッグタイトル。ラストピースが、ついに埋まった。

　いきなりトラブルに見舞われた。スポーツ公園橋の上下流で行われた、任選手との決勝戦だ。開始早々に１尾仕留めたが、バラシの後、ウグイが連発。仕掛けの交換を強いられて時間をロスした。前半は結局、右岸のトロ場で数を稼いだ任選手に３尾差を付けられた。

　上下のエリアを入れ替わった後半、分流の浅場で猛反撃。「自分は逆境で燃えるタイプ。あそこは１尾釣れたら何尾も釣れる場所だと思っていた。任さんがやっていないのは分かっていた」３０分ほどで逆転に成功。同じポイントを攻め続け、５尾差を付けて快勝した。

　ポイントを見極め、柔軟な対応で勝利にアプローチした。「下見（７月３０、３１日）のときよりもさらに渇水に拍車が掛かっていた。石が小さな所、砂利がある場所じゃないと掛からないと思った」釣り方は、得意の瀬の引き釣りを封印した。「（オトリを）半分、泳がせて半分、管理して。昔から勝ち方にこだわってきたけど、瀬の釣りが一般的になって、それだけでは勝てなくなった」竿を立て、１尾でも多く釣ることだけにこだわった。

島名人と決戦　次の大一番では、同じ中部の強豪、島名人が立ちはだかる。「２０代前半からの友人と対戦できるのは、すごく楽しみ。場所も馬瀬川で、お互いの地元。名勝負をしたい」アユ釣り界を代表するトップトーナメンター同士の真剣勝負。熱い熱い夏は、まだ続く。（小谷　竜一）

　大会史上初海外から参戦台湾任選手大健闘準Ｖ
　大会史上初の外国人選手が、準優勝と大健闘だ。小澤選手との決勝戦では後半に失速したが、任選手は得意の泳がせ釣りで旋風を巻き起こした。母国、台湾ではアユ釣りの第一人者。昨年７月のＪＦＴ第３６回全日本アユ釣り王座決定戦（福井・九頭竜川）では、小澤選手をはじめ高橋祐次選手、瀬田匡志選手ら強豪を抑えて優勝した。リサイクル業の会社を経営する４３歳。「台湾のアユ釣りを発展させるため、これからも日本から学びたい」と誓っていた。