山口選手、初出場V…第42回G杯争奪全日本アユ釣り選手権

スポーツ報知
表彰台でカップを掲げる(左から)準優勝・佐藤、優勝・山口、3位・藤井の3選手

 「第42回G杯争奪全日本アユ釣り選手権」(主催・(株)がまかつ)は6、7日、高知・仁淀川で開催された。全国11河川での予選を突破した精鋭にシード、推薦を加えた48選手が参加。ベスト8による決勝トーナメントの決勝戦で山口浩平選手(46)=豊田市=が、佐藤豊文選手(41)=渋川市=を21尾―17尾で下し、初出場で優勝した。岐阜・長良川代表は昨年の西部俊希選手に続き2年連続V。※成績はオトリ2尾込み。

 「むちゃくちゃうれしい。夢のよう」。G杯は予選も初めての参加だった山口選手が、初出場で一気に頂点に上り詰めた。

 過去に全国規模の大会にも出場しているトーナメンター。G杯はこれまで縁がなかったが「子供の頃からテレビで見てあこがれていた大会。出るからには少しでも上位へと思っていた」。そんな意気込みをさらに高めたのが、同じ中部地区で「あこがれの先輩」という小澤剛選手の今夏の報知アユ釣り選手権オーナーカップ優勝だった。「よし、俺もやってやろうと」

 入念な下見が功を奏して、予選から波に乗った。4試合ともコンスタントにポイントを稼ぎ、1位で通過。ベスト8進出が決まると、小澤選手から「優勝できんかったら帰ってくるな」とメッセージが入った。そのゲキに応えるように準々決勝を勝ち上がると、準決勝も同尾数の接戦を重量差で勝利。

 そして迎えた決勝戦。黒瀬のポイントは下見でチェック済みだった。狙い目は上流の柳瀬橋のたもとの右岸。ジャンケンに勝った時点で自信はふくらんだ。瀬肩のカガミを中心に攻め、順調に釣果を伸ばした。「前半に釣ってしまおうと。作戦通り」。場所交代後、佐藤選手も同じポイントに入ったが、逆転はできなかった。

 竿を寝かせ、引き釣りにこだわる。高比重の複合メタルを使用し、背バリを打つ。「オトリが安定しやすい。斜めに泳がせて、扇状に出ていくようにして探る」。今大会では一度も背バリを外すことはなかった。

 そんなアユ釣りを高校生の頃からたたき込まれた恩師がいる。所属する中部らりん、チームSTUVの会長だった鈴木俊行さん。だが、3年前に病気で他界。「ほとんど恩返しできずに…。弟子の中から全国の優勝者が出るのを見せたかった」と話すと、むせび泣き。「これで少しは顔向けできるし、(墓前に)いい報告ができる」。念願のタイトルホルダーになった好漢が次に目指すのは11、12年の小澤選手以来のG杯連覇だ。(深尾 卓司)

 準優勝・佐藤豊文選手「決勝戦は後半見えアユにだまされた。バレもあったし、もう少しテンポよくやれたらよかったが…。報知の全国大会でも3回戦まで行けたし、今回も大会中にレベルアップできたと感じた」

 3位・藤井夢人選手「準決勝は勝ち抜けたと思ったが、後半に追い上げられた。3位決定戦は後半にパターンに入って、この大会で一番楽しい釣りができた。シードがあるので、来年こそ一番高いところを目指して頑張りたい」

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