チヌの祭典で駆け引きに夢中…徳島・堂ノ浦

スポーツ報知
35センチ級のチヌを仕留めた山田さん。チヌ・カカリ釣りのベテランで記者に様々なアドバイスをしてくれた

 シンプルな仕掛けながら、非常に奥深いのがチヌ・カカリ釣りだ。報知APGの正木義則さんが主催する「第16回正木杯in堂ノ浦」が8月26日、徳島・鳴門市堂ノ浦の報知フィッシングクラブ「細川渡船」で開催。チヌとの駆け引きに夢中になった。

 恒例になった“チヌの祭典”。今年も21チーム76人のチヌ・カカリ釣り愛好家が集まった。釣ったチヌ・キビレ(15センチ以上)の尾数で競う個人戦、チーム内での上位3人の合計尾数で競う団体戦、さらに大物賞、レディース賞が設けられた。

 正木さんが会長を務めるクラブ「飛潮会」の山田清市さん(46)=高松市=と12号カセに乗った。快晴、微風。潮は、ゆっくり湾口に向かって流れていた。オキアミを刺し餌に5Bのオモリで落とし込むと、磯ベラ(ホシササノハベラ)が連発。餌取りの活性は高かった。

 開始1時間後、山田さんの竿がギュンとカーブを描いた。35センチ級のチヌをゲットだ。刺し餌は練り餌。「魚が寄ってきたみたいやね」。最初は竿を出さず、サナギ粉やシラサエビを包んだソフトボール大のダンゴを10個ほど投入。広角釣法からオーソドックスなダンゴ釣りに切り替えた途端にヒットした。

 山田さんはチヌ・カカリ釣り歴が20年以上という上級者。今回、いくつかアドバイスをいただいた。一つは、「ダンゴから刺し餌が抜けるとき、大きく跳ね上げさせないこと」。刺し餌がダンゴの中にあるとき、穂先を張りすぎると抜けた瞬間に反動で勢いよく跳ね上がる。この動きをチヌは警戒するのだ。

 二つ目は、「合わせるときは一瞬、テンションを緩めて間を取ること」。刺し餌がダンゴから抜けた後、潮下に穂先を下げながら“潮についていく”ときに反応が出る。「ここだ!」と思った瞬間、スッと仕掛けを送り込んでから合わせると空振りしにくい。

 そんな助言を受けながら夢中になった。刺し餌が底から浮いて小アジの猛攻にあったり、メリハリのないアタリに惑わされてボラを掛けてしまったりしながら、何とか5尾ゲット。15~20センチと小型ばかりだったが、山田さんのおかげでチヌの小気味よい引きを楽しめた。

 午後2時に納竿。6割近くの参加者に釣果があり、竹森智紀さん(潮遊会)が8尾で個人戦V。団体戦は岡山七福会Aが14尾で優勝。42・5センチ(1245グラム)を仕留めた武市祐司さん(潮遊会)が大物賞、中村公子さん(尾藤会)がレディース賞を獲得した。

 堂ノ浦は今、チヌの数釣りシーズンに突入。8月31日には20~35センチを64尾という、すごい釣果があった。また、15センチ前後のマアジも絶好調。ルアーやエビまき釣りでハネ・スズキを狙うのも面白いだろう。(小谷 竜一)

 ○…竹森さんは第11回大会以来、5年ぶり3度目の個人戦優勝。8号カセに乗り、引き潮が動き始めた早朝の時間帯を中心にチヌを仕留めた。刺し餌は主にシラサエビ。軟らかめに練り込んだダンゴをボラがつついて刺し餌が抜けた後、2ヒロほどラインを送りながら反応を探った。「餌を浮かせるとチャリコが釣れる」ので、G2~5Bのオモリを使い分けながら底スレスレを狙った。

 メモ ◇問い合わせ 「細川渡船」(船長携帯090・3180・3960、受付時間は午前6時~午後10時)へ。ホームページあり。

 ◇料金 イカダ大人1人4000円、子供(小学生)1人2000円、カセ2人まで1万800円(ダンゴ用のサナギ粉と山土付き)。

 ◇時間 午前5時半~午後4時。時期によって異なるので要確認。

 ◇その他 堂ノ浦のイカダ・カセは報知FC「谷井渡船」(TEL088・688・1021)もある。

ライフ

×