外房・犬吠埼沖 アカムツ釣りが絶好調

スポーツ報知
30センチオーバーのアカムツを上げた江口香二さん(信栄丸で)

 外房・犬吠埼沖でアカムツ釣りが始まった。茨城・波崎港の報知指定・信栄丸では、今月4日から乗合船を開始。水深250メートル前後の深場を狙い、初日に28~40センチを1~10尾とトップが制限尾数を記録した。その後も良型交じりで好釣果を出している。夏が旬のアカムツだが、冬も高級魚を手にするチャンスだ。

 「白身のトロ」とも言われるアカムツを求め、午前5時に波崎港を出船。寺井和彦船長(49)は一路、犬吠埼沖の釣り場に向け船を進めた。航程約1時間50分、ポイントに着くとそこには十数隻の船団ができていた。

 水深230メートルの海底に向けオモリを投入。わずかな糸フケが出て道糸を止め、糸フケを取ってからリールをひと巻き。下げた竿先を水平までゆっくりと引き上げて誘う。そのまま少し待つと、竿先が5センチほどククと引き込まれた。アカムツのアタリだ。餌を食い込ませる間を作ってから、竿を立てて聞き合わせ。リールを数回巻くと、あわてたようにクンクンと竿先を引き込んだ。口切れしないように竿を手に持って船の上下動をかわしながら、ゆっくり巻き上げる。2分ほどで赤く輝く35センチ前後のアカムツが浮かんだ。

 東金市の小川秀文さん(61)は、釣ったサバを切り身にして付け餌を作ると、ホタルイカと抱き合わせでハリに付けた。「餌のサバは生がいいね。食いが違う」と話す。生サバの効果は抜群。30センチずつゆっくりと誘い上げてアタリを出すと、35センチオーバーのアカムツを上げた。その後も同サイズを上げ、この日トップの5尾を記録した。

 取材した日はウネリがあり、右舷船首に陣取った我孫子市の江口香二さん(60)は、タナ取りに苦戦していた。それでも中盤、コツコツと明確なアタリが来ると、ゆっくりと合わせを入れた。30センチオーバーの良型が上がった。「底を感じながら誘い、アカムツを掛けることができましたよ」と会心の1尾に笑顔がこぼれた。

 信栄丸では今月4日から乗合船を開始した。初日は28~40センチを1~10尾。その後も制限尾数10尾を記録する人がたびたび出るなど、好スタートを切った。最大サイズは51センチ。このほかにも大型が多数仕留められている。寺井船長は「オモリが底から1メートル以上跳ね上がらないように、竿を手に持って誘って下さい。好釣果につながりますよ」とアドバイスした。(田中 清)

 ○…アカムツ釣りは、例年6月下旬から7月に波崎沖にある寒猫(カンネコ)根の水深120メートル前後で始まる。冬場の釣り場が発見されたのは2017年4月のこと。LTメヌケ船で犬吠埼沖を狙っていた時にアカムツが多数釣れたことで、新たな釣り場として注目された。その後、犬吠埼沖の水深250メートル前後を重点的に開拓、深場へ落ちたアカムツの生息地が次々に見つかった。これにより冬でもアカムツ釣りが楽しめることになった。今後、新たに発見される釣り場も期待される。

 ◆めも アカムツの近況、乗合船は波崎港信栄丸(TEL0479・44・1224)。乗合船は午前4時30分集合、同5時出船。料金は氷とホタルイカ餌1パック付きで1万2500円。乗合はほかにヒラメ船が出る。専用駐車場、休憩施設あり。

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