海老蔵長女・麗禾ちゃん、本公演初舞台でかぐや姫

スポーツ報知
カーテンコールで父の市川海老蔵と手をつなぐ麗禾ちゃん

 歌舞伎俳優の市川海老蔵(40)が座頭を務める「初春歌舞伎公演」が3日、東京・新橋演舞場で初日を迎え、長女の麗禾(れいか)ちゃん(6)が本格的な初舞台を踏んだ。昨年7月、史上最年少の宙乗りを成功させた長男・勸玄(かんげん)くん(4)に続く晴れ舞台。同6月に亡くなった母でフリーアナウンサーの小林麻央さん(享年34)のいる天国に成長を報告した。海老蔵は5年ぶりの口上を、中村獅童(45)は歌舞伎人生初の宙乗りに臨んだ。

 つぶらな瞳と整った顔立ちは、どこか在りし日の麻央さんの姿を思わせた。「私の名前はかぐや姫~!」。竹林の間から姿を現した麗禾ちゃん。桃色の着物に黄金の髪飾りがスポットライトに映えた。

 夜の部の「日本むかし話」内の「竹取」に「幼少かぐや姫」役で出演した。「おじいさん、どうか私を育ててください」「動物たちに守られて救ってくれる方をお待ちしておりました」。可憐(かれん)な声でセリフを発すると、琴の音色に合わせて優雅に舞い踊った。特訓した日本舞踊の奥ゆかしい所作を見事に披露。大向こうから「成田屋!」の声が2度上がり、満員御礼約1400人の観客から拍手が巻き起こった。客席には弟の勸玄くんの姿もあった。

 2013年、2歳の時に熊本県山鹿市の芝居小屋「八千代座」での公演で初お目見え。昨年6月には海老蔵の自主公演「ABKAI~石川五右衛門 外伝~」の一部に町人役として出演した経験はあるが、歌舞伎の本公演でセリフもある役を勤めるのは初めてだった。

 パパの愛情によって実現した舞台でもある。海老蔵は勸玄くんに比べて稽古をうまくこなせずに悩んでいる麗禾ちゃんの姿を見てきた。年齢が上である分だけ、麻央さんの不在を感じ取っていることも分かっていた。そんなまな娘を舞台の中央に送ることで励まそうとした。

 歌舞伎では男性役者が女形を勤めるため、女性は子役としての出演に限られる。ただ、梨園から巣立った寺島しのぶ(45)、松たか子(40)は人気女優になった。松が歌舞伎座で唯一の舞台を踏んだのは16歳の時。6歳での経験は、麗禾ちゃんにとって大きな一歩になる。(北野 新太)

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