台湾で暴行し逮捕の隆大介、涙で謝罪「愚かな行為」3年ぶり仕事復帰

2018年3月1日5時40分  スポーツ報知
  • 「役者引退も覚悟しました」。事件について謝罪し、今の思いを語る隆大介

  15年3月に台湾・台北の空港で職員に暴行して逮捕される事件を起こした俳優・隆大介(61)が映画「私は絶対許さない」(4月7日公開、和田秀樹監督)で3年ぶりに仕事復帰し、このほどスポーツ報知の取材に応じた。

 事件は被害者と和解が成立し、公務執行妨害罪で罰金刑が確定。15年7月帰国し、当時の所属事務所から契約を解除された。台湾へはマーティン・スコセッシ監督「沈黙 サイレンス」出演のためだった。

 「言い訳のできない愚かで無自覚な行動。被害者、作品の関係者にも申し訳ない。俳優として撮影現場にあのような形で穴を空けたこと…。お詫びのしようもありません」目にはうっすら涙が浮かんでいるように見えた。

 改めて、あのとき何が起きたのだろうか。酔ってはいたが、記憶はあるという。「泥酔と伝えられましたが、あのとき飲んだのはビール一杯。睡眠不足が重なっていたのと気圧で、到着後も起こされるまで眠っていた。入国カードを書かず、税関で止められ口論が始まった。120%自分に否があります」

 あまりに大きな代償。個性派、怪優として俳優として地位を築いていた。しかし、それをほとんど全て失った。取材時、くたびれて毛玉のできたカーディガンを着ていた。日課のようにウォーキングをするため、ずいぶん顔は日焼けしている。「生活のために時々、警備のアルバイトをしています」。一緒に住んでいた女性も去った。「そうです。事件の影響です。なので、いま一人で暮らしています」

 師と仰ぐ仲代達矢、宮崎恭子(筆名・隆巴)夫妻が始めた俳優を育成する「無名塾」の栄えある一期生。「隆大介」の芸名は、仲代の出世作「人間の條件」で演じた「梶大介」、宮崎の筆名から命名されたもの。いかに大事にされ、期待されていたか。事件のことは伝えたりしたのだろうか。

 「会いに? 会いになんて行けませんよ。破門。こんな不肖の弟子は破門されて当然なんです。お詫びの手紙を書きたい、書かなければならないとは思います。でも、それを読む85歳の仲代さんの精神的なご負担をかけると…。想像しただけで申し訳なく、自分が情けなくなります」

 「2度と撮影カメラの前には立てない」と役者引退を覚悟して帰国した。あてのない日々。この間に還暦を迎え、髪も白くなった。伊集院静氏などの小説を読みふけり、自分を顧みるしかなかった。

 そんな中で今回、出演のオファーが届いた。「俳優、人間として失格のような僕に声を掛けてくれた。再びカメラの前に立ったとき、感謝の気持ちで天にも昇るような思いでした。役者をする資格はないかもしれません。でももし許されるならば、演じることを続けたいと思っています」

 ○…「私は絶対許さない」は15歳で若者に集団レイプされた少女(西川可奈子)の半生を描く。隆はレイプ犯の1人の養父役。この少女との援助交際を通し、互いに心を開き、変化していく。「しょく罪の思いを抱えた男性。ひとつひとつの場面を丁寧に演じることだけ考えました」と隆。映画は雪村葉子さんの手記「私は絶対許さない 15歳で集団レイプされた少女が風俗嬢になり、さらに看護師になった理由」を実写化したもの。

 ◆隆 大介(りゅう・だいすけ)1957年2月14日、東京都生まれ。61歳。横浜放送映画専門学校(現日本映画大)卒。無名塾を経て77年俳優デビュー。1980年黒澤明監督「影武者」の織田信長役でブルーリボン賞新人賞。主な作品に映画「乱」、NHK大河ドラマ「峠の群像」「翔ぶが如く」「軍師官兵衛」など。身長187センチ。

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