長澤まさみ、11年ぶり「月9」主演 視聴率は気にしない「いい意味でのんき」

2018年4月21日14時0分  スポーツ報知
  • 主演ドラマへの思いや女優人生などを語った長澤まさみ(カメラ・小泉 洋樹)
  • 長澤まさみ(カメラ・小泉 洋樹)

 女優の長澤まさみ(30)が、フジテレビ系月9ドラマ「コンフィデンスマンJP」(月曜・後9時)でコンフィデンスマン(信用詐欺師)の主人公を好演している。同局系ドラマ「リーガル・ハイ」などで人気の脚本家・古沢(こさわ)良太氏(44)によるオリジナル作品で、3人の信用詐欺師による奇想天外なコメディー。2007年の「プロポーズ大作戦」以来、11年ぶりに月9に主演した長澤が、今作への思い、この先の女優人生などを語った。

 「台本を読んだ瞬間に面白い! この作品をやりたいって思いました。何の理由もなく、仕事だからやるというのは私は嫌。共感、感動できたものを選びたい」

 強い決意を胸に、長澤は30代の女優道を歩み出した。「月9」の主演は山下智久とダブル主演した「プロポーズ大作戦」以来。「そんなに大ごととしては捉えていなかった。『月9だから』という気負いもなく、撮影に入れた気がします」

 「東京ラブストーリー」をはじめ、「101回目のプロポーズ」「ラブジェネレーション」「HERO」などの多くのヒット作を生んだフジテレビの看板枠だが、近年は視聴率で苦戦を強いられている。「今、月9といったら、あまりよく言われないですよね…。周りから『すごく勇気あるね』って言われました。でも、それって枠の印象なだけ。作品の印象じゃない。作品にどれだけの思いをぶつけられるかが、私たちの役目だと思う」

 「コンフィデンスマンJP」は、初回平均視聴率が9・4%、第2回が7・7%だった(いずれも関東地区、ビデオリサーチ調べ)。視聴率については「現実感を持っていないので気にしていない」という。「いい意味でのんきなのかな(笑い)。いい結果を残せたら、ラッキー。ダメと言われたら、受け入れて次の反省点にする。結果が出てしまったことを、いつまでも後悔しないようにしています」

 責任逃れするつもりはない。「全ての風に真っ向から向かうつもり」と覚悟を語る。「主演だから、みんなの責任を負う部分がある。裏では(スタッフの中に)同じように責任を負う人がいるかもしれないけど、表立ってするのが主役」

 同作は、ダー子(長澤)ら3人の信用詐欺師がタッグを組み、奇想天外な計画を企て、欲望にまみれた人間から大金をだまし取っていく痛快コメディー。「欲望」「金」をテーマに、1話完結のオリジナル脚本で描かれる。

 長澤は関係者を通じて、古沢氏から直々にラブコールを受けた。「気にかけていただいていた、というのがうれしかった。古沢さんに『任せる』というふうに思ってもらえて、やりがいをすごく感じました。世間にはあまり知られていないけど、私ってユーモアがある方だと思う。自分の中にある新しい感覚を発揮できそう」

 演じるダー子は天才的な知能と抜群の集中力で、難解な専門知識も短期間でマスターできる才能の持ち主。一方で、常識外れな上に天然で詰めが甘い。その不完全さが故に、どこか憎めない存在でもある。

 「頭脳明晰(めいせき)な天才的詐欺師という肩書だけど、『ガリレオ』(の主人公の湯川学)のような感じではないかな。頼りなさだったり、つかめなさ、柔軟さ。完璧主義者すぎない姿が、この時代に合ったキャラクターな気がします」

 第1話のキャビンアテンダント、第2話の旅館の仲居など、相手をだますために各回で見せるコスプレも見どころの一つ。「巧みにターゲットを誘導して、だましていく人間模様を楽しんでほしい。一緒になって、だまされてほしい」と語った。

 00年の「東宝シンデレラ」オーディションで史上最年少(当時)の12歳でグランプリを獲得し、芸能界入り。映画「世界の中心で、愛をさけぶ」(04年)でブレイクすると、NHK連続テレビ小説「さくら」や大河ドラマ「天地人」「真田丸」に出演。映画「海街diary」(15年)ではカンヌ国際映画祭の舞台に立った。

 順風満帆に見えるが、壁にぶつかり、悩み、不安を抱え、揺らぎ、試行錯誤を繰り返してきた。「ちゃんとお芝居を習ったことがないんです。手探りでこんな感じかなって思いながら、理想のお芝居を目指してやってきた。過去に積み重ねたものが少しずつ形になって、ようやく最近の作品に投影されてきたと思う。仕事じゃなかったら、こんなに頑張れていない」

 いまだにたどり着けない境地がある。共演した俳優、女優が口にする「趣味が芝居」「芝居が好き」「芝居を愛している」という心情だ。「そうやって話している人たちを見ると、すごいな~と思う。その感覚を持てたことがないので、自分に対して考えちゃいますね…。そういう境地に至りたい―という思いは強いけど、苦手意識が先に出てきてしまう。それが課題かな」

 これまで莫大(ばくだい)な数の取材を受けてきたが、実は、人前で話したり、インタビューを受けたりするのは得意ではない。それにも彼女なりの理由がある。「自分の考えを人に伝えたり、教えたりするのは恥ずかしい」という美学があるから。「これだけ努力した、苦労したって(人前で)言うの、格好良くないじゃないですか。努力はこの世界にいるみんなが当たり前にしていること。『男は黙って!』みたいな。それが理想です(笑い)」

 多感な10代はテレビのオンエア、雑誌の記事を目にし、敏感に反応していた。「昔はちょっと何かを言っただけで、そのフレーズだけを扱われてしまう。発言したことを維持していかなきゃ、っていう変なプレッシャーが嫌だった。『こういう人間だから知ってほしい』という欲がないし、何も考えていないと思われていた方が楽。内心、どう思われてもいいや、と思っていた時期もありました」

 最近、周囲から「吹っ切れたんじゃない?」と言われる機会が増えた。「心情の変化ですか? あぁ疲れた~ってなるし、仕事つらいな~ってなる(笑い)。10代の頃と何も変わらないですよ」と照れ隠しするが、「年齢も年齢だし、きちんと伝えていかないと。だいぶ(自分の言葉で)言えるようにもなったので」。

 昨年6月に30歳になった。デビュー当時に抱いた30歳のイメージと比較すると、「もうちょっとお料理上手になっていたかな」と、はにかむ。「20歳になった時もそうだけど、『ま~、こんなもんか』って感じでしたよ(笑い)。40歳になっても『こんなもんか』、50歳も『こんなもんか』、それが続いていくのかな。理想はいつも高く持つようにしています。『こういうお芝居をしていきたい』という目標、理想像はあるけど、まだまだ。それに近づいている感じはしないな」

 昨年は1月に「キャバレー」でミュージカルに初挑戦した。今年は劇団☆新感線の音楽活劇「メタルマクベス」(東京・IHIステージアラウンド東京)に臨む。「演じられる役の幅が増えてきたなと思う。環境を変えないと頑張れないタイプなので、アクションに挑戦したり、今までやっていないことにチャレンジしていきたい。『1回でやめる』と言ったので、ミュージカルはもうやらないですよ(笑い)」(ペン・加茂 伸太郎)

 ◆東出&小日向と「面白いチーム」

 ダー子と行動をともにするのが、マジメだが小心者でちょっと頼りないボクちゃん(東出昌大)と、手練手管を使って相手をだます百戦錬磨のリチャード(小日向文世)。「チーム戦というのが重要な要素。1人が失敗しても、それぞれが補い合う。信頼していないように見えても、互いを尊敬し合う面白いチーム」と長澤。「信頼は言葉にするものか、態度で示すものか、演じていて考えさせられました。3人の関係性が面白い」と話した。

 ◆「コンフィデンスマンJP」第3話

 カフェでアルバイトをする画家志望の美大生(馬場ふみか)と知り合ったボクちゃん(東出)。彼女が美術評論家・城ケ崎(石黒賢)に弄ばれ、自殺未遂に追い込まれたことを知り、城ケ崎から金を奪おうと決意する。ダー子(長澤)は中国人バイヤーとして彼のオークションハウスに潜入し、信頼を獲得。だますためのタネとして旧知の贋作(がんさく)画家(でんでん)に、まだ世に出ていないピカソの作品の制作を依頼する―。

 ◆長澤 まさみ(ながさわ・まさみ)1987年6月3日、静岡県生まれ。30歳。2000年、第5回「東宝シンデレラ」オーディショングランプリ。03年「ロボコン」で映画初主演。04年映画「世界の中心で、愛をさけぶ」で報知映画賞助演女優賞など受賞。主な出演作にドラマ「ラスト・フレンズ」、大河「天地人」「真田丸」、映画「モテキ」「海街diary」など。今後は映画「50回目のファーストキス」(6月1日公開)、「マスカレード・ホテル」(来年1月公開)が控える。趣味は読書、映画観賞。身長168センチ。血液型A。

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