E―girls鷲尾伶菜、きつくても波乱万丈でも選んだ道が自分の正解

2018年4月28日14時0分  スポーツ報知
  • 鷲尾伶菜は澄んだ瞳で自身の将来を見つめている(カメラ・小泉 洋樹)
  • 今後の夢を語った鷲尾伶菜(カメラ・小泉 洋樹)

 人気ダンス&ボーカルグループのE―girlsが5月23日にアルバム「E.G.11」を発売し、6月2日からは7都市15公演のライブツアーをスタート。昨年、メンバー8人が脱退して11人の新生E―girlsとなって本格的な活動となる。アルバムで過去の楽曲の再収録に臨んだボーカルの鷲尾伶菜(24)は「昔の作品を歌って改めて気付くことがたくさんあった。このアルバムをライブにつなげたい」と目を輝かせた。また、メンバー脱退の時は「先輩がいなくなって不安しかなかった」とも。危機を乗り越えたグループへの思い、デビューまでの苦労話や今後の夢も聞いた。

 アルバムにはE―girlsのデビュー曲「Celebration!」を始め、メンバーが11人になってからの最新曲「Pain,pain」までの34曲が収録されている。鷲尾、藤井夏恋(21)、武部柚那(19)の3人の新ボーカルによって既存曲を再レコーディングしているのも聴きどころだ。

 「けっこう前に収録した作品も多くて、デビュー曲とかは声が今とは全然違ってましたね。当時のことを思い出したり、E―girlsの歴史を感じながら進めてきました。(6人から)3人になったことで、ちょっと寂しく聞こえる心配もありました。でも一人一人の心意気というか、気合を曲に込めるじゃないですが、今までの歴史を含めて、これが今の形なんだという思いを込めて歌いました」

 ―声の違いには驚いた。

 「はい。一番の違いは声の高さと声質ですかね。10代の声は妙に高かったというか…。『Follow Me』はもうびっくりで、当時はビブラートを使わないで歌うというのがE―girlsにはあって、聴いた瞬間に自分でも『誰だ?』と思うほどでした。自分的には今の声の方がいろんな表現ができているかな、とは思います。当時は『こう歌いたい』と思っても出た音はそうはいかないんですよ。でも、その時の精いっぱいを詰め込んだ“必死感”が伝わる歌もあって勉強になりました。それすらも上書きしていけるぐらい3人でガツンとやったので、今の方がいい出来だと思いたいです」

 昨年、メンバー8人が脱退し、グループに激震が走った。不安を打ち消すためにメンバー同士で話し合いも持ったという。

 「今まではAmiさんら先輩に頼りっきりで、背中を追って一から学んでここまで来させてもらいました。これから自分たち11人が責任を背負ってやらなきゃいけないとなった時は、正直不安しかなかった。それを口に出しちゃうと本当に怖くなっちゃうから、当時のインタビューではあえて強がったコメントをしていましたね。新体制になった直後、みんなで『自分たちが前向きに発信していくことでしか、不安を感じているファンの方を安心させてあげることはできない。不安を隠してでも強くいこう』と話し合いました。この半年間、本当にファンの方に支えられました。みなさんすごい温かくて、イベントやライブに足を運んでもらいました」

EXILEの衝撃2 歌手に憧れていた。恥ずかしくて夢を口に出せない少女は、EXILEのライブを目の当たりにしてショックを受けたという。

 「幼稚園の頃から『歌手になりたい』と思ってはいても、学校では口に出して言えない子でした。自信もなかったので人前で歌ったこともないです。中3で母親に連れられてEXILEのライブを福岡ドームで見て『なんじゃこれは。こんなエンターテインメントあるんだ』。感動というか衝撃で、そこで福岡にEXPGが開校することを知り、高1からダメもとでスクールに通い始めました。私は特待生でもなく一般生徒だったから高いお金払ってました(笑い)。唐津でバイトを掛け持ちして、長時間揺れる地下鉄で酔いそうになりながら通っていました」

 高校か音楽か―。鷲尾は選択を迫られる。音楽を選んだ理由は彼女の人生哲学によるものだった。

 「高1の終わりぐらいに両親が『スクールか高校か、どっちかにしろ』と。じゃあスクールでっていう感じでした。何か月も反対されて最後は『家を出て行く』というぐらいでした。これをマネされると困るんですけどね(笑い)。でも決めちゃったんですよね。なんだろうな。後悔したくないからかな。基本的に自分にとっていい選択をしなきゃと迷うんじゃなく、選んだ道を自分の正解にしたいという思いが強いんです。挫折することがあっても、転んだことで立ち上がり方を覚えるじゃないですか。歌手になれなくても音楽に携わる仕事がしたかったから、音楽で転んでみてもいいやって思ったんですね」

 ―そういう考えは昔から。

 「はい。子供の頃から結果がどうあれ、悪い方を選んだんじゃないと思うようにしていました。私って安心安定の毎日より波乱万丈を生きたいんです。きつい道ですが…。先日、占ってもらう機会があって、ホロスコープで。それこそ『波乱万丈ですね』って言われました。これからは『いい』と占いでは出ていたので、それを自分のポジティブ心に変えています」

 スクールに通い始めて歯車が一気に動き出した。オーディションに合格し、プロへの道が開けた。

 「スクールに1年ほど通ったぐらいでボーカル・バトルを知りました。全てを懸けるというよりも受かると思える雰囲気でもなく、会場の空気だけでも味わおうという程度でした。周囲からはけっこう『いけると思ったでしょ』と聞かれますが、当の本人は『無理無理。いつ落ちるんだ』っていう感じだったから合格にはビックリ。最終審査まで『みんな歌手になりたいから無理だよ』と言っていたお母さんも、親戚一同も驚いていました。でも、一番は同級生でしょうね。私が歌を好きだと知らないし、同姓同名の違う子だと思っていたと言われました」

緊張しいなんです Flowerのボーカルとしてデビューが決まり、夢の世界に足を踏み入れた。音楽制作は外から見る風景とは違っていたそうだ。

 「半年前はバイトしていた子ですから、レコーディングもヘッドホンをして歌うのも初めて。取りあえず何も分からないけど、やらなきゃみたいな感じが歌にも出まくっていましたね。当時はボーカルってグループを引っ張っていかなきゃいけない立ち位置、という思いが強かったのかな。自分が失敗すると全体がダメになっちゃうと、変に自分にプレッシャーをかけていたような気がします。収録は今でも気を使います。自分ってけっこう緊張しいで、靴とか履いていると体がガチガチになっちゃうからはだしじゃないとダメですね。リラックスできる格好でマイクの前に立ちたいんです」

最年長の責任自覚3 新生E―girlsではボーカル、そして最年長としてパフォーマーを含め全体を引っ張る立場にいることは自覚している。

 「ボーカルとパフォーマーでは、責任はボーカルの方が強いかもしれませんね。歌わないと踊れないから、自分がしっかり責任を持たないといけない思いはあります。だからこそパフォーマーに、もっとこうしてほしいというのが出ちゃうかもしれません。ただ彼女らがダンスで必死に歌ってくれているのもヒシヒシと感じるし、私たちボーカルも『こういう思いでレコーディングした』と伝えて、真意を共有できればいいと思っています。グループでは石井杏奈が女優業で頑張っているし、モデルも専属になる子もいたり個人活動の幅が広がっています。みんなそれぞれの場で力を持てれば、グループ全体がパワーアップするからとってもいいなと思います。自分も今、作詞に挑戦していて…。できるのかなあ(笑い)。本当は今度のアルバムに(作品を)入れたかったんですけど間に合わなくてね。普段から気になったことやフレーズはメモ帳や携帯に入れるようにしています」

 E―girlsとFlowerでボーカルを務めているが、互いの良さや違いを刺激にしているようだ。

 「Flowerは一人一人がすごく個性的なグループで感性がすごいせいか、アップテンポを表現してもどこか明るくなりきれないところがあります。それは自分たちのコンプレックスでもあったんですが、楽曲でそこを強みにする意味でもバラードが多いですね。E―girlsはやっぱり太陽みたいなグループだと思います。11人になって改めてHappinessメンバーの一人一人を見ていると、なんでこの子がいるだけで虹みたいなグループに見えるんだろうって。せつない楽曲をやってもどこかにほほ笑みがあるし、こっち(Flower)とは真逆です。太陽と月みたいな感じですかね」

 自分の進んだ道を正解にするために研鑚(けんさん)を積む―。この信念を胸に孤高のボーカリストは、自分の道を切り開いていくだろう。(ペン・国分 敦)

 ◆ソロソロ!?「まだ全然」

 ―ソロ活動の可能性はあるのか。

 「考えてはいますけど、それはE―girlsとしてのちゃんと形ができてからかと思います。まだグループがガツン、ドーンといかないうちにソロをやっちゃうとね…。まだ全然(そこまで)いっていないですよ。ガツンというのは熱狂度でしょうか。ファンの方から感じるエネルギーとか、世の中にグループがどのくらい浸透しているのか、曲を耳にしない時がないなとか、そういうこともつながってくると思います。まぁ、E―girlsでここまで来れたんだと感じられた時かと。感覚ですが、いずれそういう時が来ると思うんですね。その時に卒業するのか、やめるのか、ソロに行くのか…」

 ◆聴きたい曲募集

 今回のライブツアーでは、ファンに聴きたい曲を募っている。

 「皆さんに楽しんでもらえるのを第一と考えました。リクエスト1位の『ヒマワリ』は、元々Dreamさんの曲で、E―girlsのライブでは後半戦で盛り上がっていけるような“タオル曲”です。アルバムに入らないんですがライブでは絶対やる作品で、先輩の曲を今のメンバーが歌うというのも感慨深いです。ファンの方も歌い継いでほしいと思っているのでしょうね。『Follow Me』とかも、もしかしたら5年、10年後は次世代の子たちが歌ってくれたらいいなって思います。それがグループの歴史になると思います」

 ◆鷲尾 伶菜(わしお・れいな)1994年1月20日、佐賀・唐津市出身。24歳。2009年にEXPG福岡校(養成所)に入所。高校中退してアルバイト生活をしながらスクールに通い、11年に「ボーカル・バトル・オーディション3」で合格し、ダンス&ボーカルグループ・Flowerのボーカルとして「Still」でデビュー。その後、E―girlsのボーカルとしても活動し、13年から「NHK紅白歌合戦」に5年連続出場中。現在、J―WAVE「AVALON」(金曜・後8時)でナビゲーター(週替わり)を務めている。身長160センチ、血液型O。

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