男の世界の“清涼剤”NY留学で強く進化…「孤狼の血」阿部純子インタビュー

2018年5月5日10時0分  スポーツ報知
  • エキゾチックな顔立ちが魅力の阿部純子(カメラ・清水 武)
  • 謎めいたアルバイト薬剤師を好演した阿部

 原作に唯一登場しない映画版オリジナルキャラクターの薬剤師・岡田桃子を演じたのが阿部純子(24)。16年のNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」でヒロイン・高畑充希の友人を好演。今作では、松坂桃李演じる新人刑事・日岡秀一を手当したことをきっかけに、男女の仲になっていく。男臭さたっぷりのシーンが大半を占める中、どこかミステリアスで、それでいてみずみずしい阿部の演技は作品の中で“清涼剤”的な役割を果たしている。

 「オアシスのような役どころ。桃子のシーンは別の映画のラブシーンというか、恋愛映画を撮ってるみたいに雰囲気が違いました。現場でも役所さんと松坂さんしかお会いしていないんです。監督から『考えすぎないで、演出をつけすぎないように』と言われたので、全体の雰囲気に引っ張られないように気をつけました。本編を見て勢いに圧倒されちゃいました」。白石和彌監督の指示を受け、自然体を心がけた。

 現場で役所に会ったのはワンシーンだけだったが、存在感に圧倒された。「役所さんは作品全体を常に見ているような存在でした。呉弁の練習用CDと、現場の方が教えてくれるイントネーションがちょっと違ったんですが、役所さんが私にこそっと『微妙に違うよね』と。一瞬納得して、なんでわかるんだろう? って。私の呉弁のセリフも全部覚えていらしたことに気付いて驚きました。今村昌平監督の『うなぎ』が好きで、お会い出来ること自体が楽しみでした。共演させていただいたのは一生の宝です」と目を輝かせた。

 一方、ラブシーンも演じた松坂については「現場の王子様。松坂さんの優しさをみんなで共有している感じ。ラブシーンは、監督に『(松坂に)任せておけば大丈夫』って言われましたが、その通りでした」と笑顔を見せた。

 小学生の時にスカウトされ、以前は吉永淳の芸名で活動。2014年、河瀬直美監督の映画「2つ目の窓」に主演し、カンヌ国際映画祭にも参加した。そこで刺激を受け「まだ力不足。広い視野を持ちたい」と当時の所属事務所を辞め1年間、米に留学。ニューヨーク大演劇科で学んだ。

 15年8月に帰国後、本名で再出発。「留学で強くなりました。悔しい思いも無力感もたくさんあった。私は演じることでしか人のためにならないと感じたことが、今につながってると思います」。今作も「とと姉ちゃん」も、オーディションで役を勝ち取った。

 根っからの映画好き。8年前、白石監督の「ロストパラダイス・イン・トーキョー」を映画館で見て、参加を熱望していた。「また白石監督に使って頂けたらうれしいです」。続編が決まったら、真っ先に立候補するつもりだ。

 ◆阿部 純子(あべ・じゅんこ)本名同じ。1993年5月7日、大阪府生まれ。小学生で芸能界入りし阪急百貨店の広告モデルでデビュー。中学時代はファッション誌のモデルとしても活動。2010年に「リアル鬼ごっこ2」で映画初主演。12年には日本テレビ系「理想の息子」に出演。14年に「2つ目の窓」でサハリン国際映画祭主演女優賞、高崎映画祭最優秀新人女優賞を受賞。17年3月に慶大環境情報学部卒業。趣味は読書、歌舞伎鑑賞。好きな作家は柴崎友香、好きな歌舞伎俳優は中村壱太郎。身長161センチ、血液型A。

 【ストーリー】小さな薬局のアルバイトとして働く岡田桃子(阿部)は、旧知の刑事・大上章吾(役所広司)の指示で、加古村組構成員とのけんかでけがを負った新人刑事・日岡秀一(松坂)を手当てすることに。後日、コインランドリーや薬局の前で桃子と日岡は再会し、親密になっていくが―。

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