三遊亭歌武蔵、美るくらが小笠原村で「返還50周年記念寄席」開催

スポーツ報知
「小笠原諸島返還50周年記念寄席」に出演するため出発した(左から)三笑亭可風、三遊亭歌武蔵、三遊亭美るく、林家楽一

 落語家・三遊亭歌武蔵(50)、三笑亭可風(43)、三遊亭美るく(38)、紙切り・林家楽一(37)が19日、「小笠原諸島返還50周年記念寄席」に出演するため、おがさわら丸で竹芝桟橋から父島に向け出発した。

 美るくは2013年から小笠原村で毎年、落語会を開催している。今年は小笠原諸島が1968年6月26日に米軍統治下から日本へ復帰して、返還50周年の節目で、様々なイベントが企画されており、その一環で出演者を増やした「記念寄席」が実現した。

 共演者の可風は20代のころ、父島の海洋センターでウミガメの産卵調査をしていたこともあり、歌武蔵は返還と同じ50歳ということから出演が決まった。

 小笠原落語会の“席亭”でもある酒井勉さん(49)はかつて父島に在住していた。美るくは「高座で『小笠原村で落語をやりたい』って話していたら、たまたまお客さんに酒井さんがいらしていて、落語会が出来るようになった」と小笠原との関わりのきっかけを語った。13年に父島に初訪問して以来、自然豊かな島の魅力にとりつかれている。

 「3年前ですかね。(小笠原の)海で泳いでいたら声をかけられたのが(可風)兄さんで、びっくりしました」と美るく。可風も可女次を名乗っていた二ツ目時代にも時折、父島を訪れており「島の応援団で、(父島に)行くというよりも“帰る”、“戻る”という感覚ですね」。16年に真打ちに昇進してからは初訪問。知人も多く、心のふるさとへの凱旋(がいせん)を楽しみにしている。

 歌武蔵は、自衛隊の慰問で硫黄島へ4回、南鳥島へも行ったことがある。ともに小笠原村だが、民間人の住む父島への訪問は初となる。「ありがたいです。今回は寄席形式なので、江戸落語の雰囲気を味わってもらいたいです。50周年の記念祝賀に華を添えるのが使命です」と意気込んでいる。紙切りの楽一も「(小笠原村の自然などは)予習をしっかりしてきました。どんな注文にも応えられると思います」と話している。

 21日夜には父島で、22日夜には母島で落語会を行う。都内から南に1000キロ、亜熱帯に属する離島には船で24時間かかる。都心からは一番時間がかかる場所でもあるが、歌武蔵は「小笠原村も東京都ですから。島民がこちらに来たときに寄席に足を運んでもらえるように、4人の力で大爆笑させたい」と話し、おがさわら丸に乗り込んだ。

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