歌舞伎の名脇役、坂東彌十郎、11年ぶり映画「審判」で衝撃のえんじ色ジャージー姿に

2018年6月28日19時39分  スポーツ報知
  • 久々の映画出演について語った坂東彌十郎
  • 映画「審判」での坂東彌十郎(右)。えんじ色のジャージー姿が強烈だ。左は主演にわつとむ

 歌舞伎の名脇役として知られる坂東彌十郎(62)が、6月30日に東京・渋谷のユーロスペースなどで公開される「審判」(ジョン・ウィリアムズ監督)で11年ぶりに映画出演している。このほどインタビューに応じた。

 「変身」で有名なフランツ・カフカの同名小説を、現代の東京を舞台に置き換えて映画化。理不尽でこっけいな出来事が、主人公に次々に降りかかっていく。彌十郎は、183センチと歌舞伎界で一番高い身長も生かし、謎めいた「殴る男」という役で、独特の存在感を出している。

 「これまで時代劇以外、やったことがなかったので大丈夫かな、と最初は少し迷いました。でも60歳をこえ、新しく経験させてもらえるのはありがたい。ぜひやってみようと」。意外にも、初の現代劇。しかも、劇中では懐かしいエンジ色のジャージー姿で登場。この格好から醸し出す雰囲気が、実にあやしい。

 「格好を聞いて驚きましたが、職務に忠実、冷静、沈着な役とイメージして演じました。撮影は2日間だけでしたが、どのように見てもらえるでしょうか」。実際に“殴る”のかどうかは、見てのお楽しみ。

 彌十郎の父、坂東好太郎は「雪之丞変化 闇太郎懺悔」(1939年)、「地獄門」(53年、衣笠貞之助監督)に出演するなど往年の銀幕スター。

 「京都に住んでいたときは太秦幼稚園に通い、遊び場は撮影所にある俳優会館の前でした。歌舞伎と映画のはざまでの苦労もあった父からは、映画の世界のおもしろさ、魅力を聞いていた。なのでいつか、自分も経験してみたいと思っていました。機会があればまた。芝居の引き出しが少しでも増えるなら、こんなに幸せなことはありません」

 【審判】カフカの不条理小説にサスペンス的な要素やブラックユーモアを交えて映画化。東京で暮らす銀行員・木村陽介(にわつとむ)が、30歳の誕生日にマンションで目覚めると、見知らぬ2人の男が立っていた。逮捕を告げに来るも、罪状は不明という不可解さ。さらに次の日曜日に裁判所に来るよう連絡がくるが…。共演は品川徹、高橋長英ら。

 ◆坂東 彌十郎(ばんどう・やじゅうろう)1956年5月10日、東京都生まれ。62歳。初代坂東好太郎の三男。73年歌舞伎座「奴道成寺」の所化観念坊で初代坂東彌十郎を名のり初舞台。子供のときから長身でほとんど子役経験なし。市川猿翁のもとでスーパー歌舞伎、中村勘三郎のもとでコクーン歌舞伎や平成中村座などに出て経験を積む。安定感ある演技、芸域の広さに定評がある。長男は若手女形の注目株、坂東新悟。

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