お盆休みに新ジャンル「写真映画」はいかが? 新進気鋭、佐々木優大監督「終末の獣たち」

2018年8月10日12時54分  スポーツ報知
  • スポーツ報知本社を訪れ、「写真映画」と「終末の獣たち」について語った佐々木優大監督

 夏休み中に何の映画を見るかで悩んでいる人へ。東京・池袋シネマ・ロサで11日から新進気鋭、佐々木優大監督(32)の「終末の獣たち」という69分の作品が、1週間限定レイトショーで上映される。

 普通の映画とは違う。1か月前、この映画館に話題沸騰中の「カメラを止めるな!」(上田慎一郎監督)を見に行き、予告編を見た。わずか数分だったが「終末―」の不思議な世界観に引き込まれ、無性に気になった。というのも、映画は映画でも「写真映画」という“新ジャンル”。

 全編モノクロの写真で展開し、その静止画の中で俳優のセリフも進行していく。ワンシーン、ワンシーンの構図が綿密。ロケ地も日本でよくこんな場所を見つけてきたな、と驚かされる場所で撮られている。

 ストーリーを一言で形容するのは難しい。近未来を舞台に、男だけを死滅させるウイルスが蔓延し、女だけが生き残る状態に。世界が滅びようする混乱の中での人々を描く奇想天外なSFもの。観念的でもあり、いま、男女差別などジェンダー関連の話題が社会的に大きな注目を集めているが、それらとも結びつけて見る人もいるだろう。

 監督・脚本・撮影・編集と4役を兼ねた佐々木監督は、もともとSF映画好き。「今後も写真映画という形で作品をつくっていきたい」という。「本来の映画も1秒に24コマなど写真が集まったもの。表現する上で可能性が広がり、自由になれると思う」。作品、映画のつくり方の両面で時間軸を操作している、と言えるかもしれない。

 より繊細な世界を描ける、という考えから、徹底してモノクロにもこだわっていきたいそう。こちらも不思議なことに古さを感じさせない色合い。佐々木監督の物静かな口調からは、信念のようなものが伝わってきて頼もしさを感じた。話題の邦画などにはほとんど興味がわかないという。注目を集める監督になるのは、意外と時間の問題かもしれません。(記者コラム)

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