竹内涼真「誰が好きかとなった時に名前出てきて欲しい」国民的俳優への道

スポーツ報知
「新しい自分をどんどん見せていきたい」と語る竹内涼真(カメラ・小泉 洋樹)

 185センチの長身、甘いルックスで大人気の俳優・竹内涼真(25)が、主演映画「センセイ君主」(公開中、月川翔監督)で教師役に初挑戦した。生徒役の浜辺美波(17)を相手に胸キュンシーン連発のラブコメディーに挑み、「全て出し切れた」と手応えを実感している。俳優デビュー5年目。ドラマ、映画と話題作への出演が続き、人気はうなぎ登り。理想に掲げる「国民的俳優」へ「新しい自分をどんどん見せていきたい」と力を込めた。(星野 浩司)

 高校生に大学生、実業団ランナー。爽やかな好青年を等身大で演じてきた竹内が、初の教師役に挑んだ。

 「とうとう先生だなって感じ。教壇に立つと教室が全部見える。また違った景色で新鮮でした」

 累計150万部超えの幸田もも子氏の同名漫画が原作。竹内は頭脳明晰(めいせき)、ヒネクレ者の数学教師・弘光由貴を演じた。

 「ドSでツンデレなキャラと聞いてたけど、台本を読んだら、女の子の扱いもうまくなくて自分の感情を表に出すのが苦手な人という印象を持った。一から作らなきゃと思って臨んだ」

 浜辺演じる女子高生・佐丸あゆはとの“禁断の恋”がコミカルに描かれた。

 「教師と生徒の恋愛はあってはいけない、気持ちは動いても先生の立場は崩さないと意識しました。かなわない存在、別次元にいる“君主感”を見せたかった」

 ラブコメ作品は初挑戦。女性ファン必見の名シーンが生まれた。大雨の中、竹内がジャケットを傘代わりにして浜辺を覆って歩く「ジャケット傘」だ。

 「僕はやったことないですよ。傘業界から怒られちゃう(笑い)。あれをやるとちゃんとぬれないと証明できた。大雨で傘がない状況で自然にジャケットをかけられるか流れを考えて演じた。壁ドン、顎クイ、顔ムギュといろんなシーンがあるけど、それを見せる映画じゃない。自然に事故が起きればいいと意識した」

 ド直球で思いをぶつけるあゆはに「俺を落としてみなよ」と挑発するなど、胸キュンなセリフが満載だ。

 「恥ずかしさはもちろんありますよ。持ってないとナルシストになっちゃう。あのセリフは『落としてみなよ…でも私は先生だから絶対無理だよ』という意味。他にも『もしかして俺のこと好き?』とか、普通は聞かない言葉をいかに自然に言えるかにこだわった」

 初めてメガネ姿で演技に臨むなど、新たな一面を届けられた実感がある。

 「視力2・0で普段はメガネをかけない。撮影中は常に眼精疲労との闘いだったけど、メガネの僕を楽しんでもらえたならうれしい。反省点を挙げたらキリがないけど、自分の中では全て出し切れた。今までと違うタイプの役ができて自分としても成長できました」

 飛躍のキッカケとなった14年のテレ朝系「仮面ライダードライブ」以来の主演作。今作はメインキャストで最年長。心境の変化は―。

 「芝居のスキル、見る人の幅はライダーの時より格段に増えたけど、全力で作品に向かう気持ちは同じ。作品に入ったら年齢は関係ない。主演だからではなく、一緒に作品を作るチームなので遠慮せずに言い合った方がいい。今回はまとまった最高のチームでした」

 毎クールでトップ級の視聴率を誇るTBS系日曜劇場に3度出演。15年の「下町ロケット」では阿部寛(54)、昨年の「陸王」では役所広司(62)と、日本を代表する主演俳優の背中を見てきた。

 「阿部さんや役所さんのすごい芝居を見たら、僕も頑張らなきゃと思う。どなたも全体を気にしてくれて、役の大きさ、立場は関係なく、現場のみんなにフラットに接してくれました」

 4月期の「ブラックペアン」は嵐・二宮和也(35)の姿勢に学んだ。

 「二宮さんの演技にはゾクゾクしました。現場でどんなに時間をかけても自分の思ってることはちゃんと口に出して解決してた。僕らの意見もすごく聞いて、居心地の良い現場をつくってくれた。もし自分が今後主演で現場に入るなら、二宮さんのようについていきたいと思われる役者になっていきたい」

 昨年から今年にかけて連ドラはNHK「ひよっこ」など4本、出演映画は「帝一の國」など4本が公開。ハイペースで駆け抜けた。

 「忙しくて撮影後に体調を崩したりはあるけど、時間がない中で課題を与えられて、見てる人に良いねって言ってもらいたいから頑張る。眠くて無理とか言ってらんない。たぶん『―ペアン』は4月期の全番組で一番忙しかったと思う。時間が足りなくてきつかったけど、4月期で最高視聴率という結果が出て、やって良かったと思えました」

 昨年の写真集「1mm」はオリコン年間男性ソロ写真集で1位に。7月発売の最新作「Ryoma Takeuchi」では、鍛え上げた肉体美とワイルドな“ギャランドゥ”を見せつけた。CMやイベントにも引っ張りだこで、人気はとどまるところを知らない。

 「この人気は持続できるように頑張りたいし、声援はもっとほしい。もっと僕を見たいと思う人が広がったらいいなと思う」

 5歳でサッカーを始め、高校時代は東京Vユースでプロを目指したがかなわず。その「挫折」が俳優業の原動力になっている。6~7月のサッカーW杯でTBS中継サポーターに抜てきされた。

 「一つ夢がかないました。プロサッカー選手にはなれなかった僕が選ばれた意味も分かる。サッカーをあまり知らない人に楽しく伝えられるのは自分の強みだと思う。またサッカーに携わる仕事をやってみたい」

 ルックス、演技力、トーク力と、もはや死角なし。理想に掲げる「国民的俳優」へ一歩ずつ近づいている。

 「まだまだです。日本の俳優で誰が好きかとなった時に『竹内涼真』の名前が出てきてほしい。国民的と言われるようになったら持続させたいし、もっと良いものを発信していきたい」

 今や「国民の彼氏」と称される竹内。理想の女性のタイプは内面重視という。

 「空気が読める人がいいですね。気配りしてますってグイグイ表に出されるのは違うけど、自分だけでなく場の雰囲気を考えて行動してる人はステキだと思う」

 気になる結婚願望は―。

 「もちろんあります。何歳でもいいけど、子供ができて幼稚園や小学校の運動会に行った時にリレーで走ったり、ちゃんと動けるくらいの年でいたい。三浦知良さんのように毎日トレーニングはできないけど、自分なりに鍛え続けたい」

ファンが望む姿をアンテナ張り模索 主演作品が増える中で、ファンに求められる自分自身を模索していく。

 「ファンの人が何を見たいかアンテナを張っていきたい。全部同じ芝居だと見る方も僕もつまらない。小さい子は得意なので、幼稚園の先生役をやってみたい。いろんなことに挑戦して、まだ見せてない新しい自分をどんどん見せていきたい」

 ◆竹内 涼真(たけうち・りょうま)1993年4月26日、東京都生まれ。25歳。高校時代は東京ヴェルディユースに所属。2013年4月に雑誌「mina」の男性モデルオーディションでグランプリに輝き、同10月のフジテレビ系「車家の人々」でデビュー。14年テレビ朝日系「仮面ライダードライブ」に主演、同シリーズで映画デビュー。17年は映画「帝一の國」、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」、日テレ系「過保護のカホコ」など話題作に出演。185センチ。血液型A。

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