池江璃花子“最大の敵”は「孤独」…さみしさを乗り越えパンパシ金メダル

スポーツ報知
池江璃花子

 18日放送のTBS系「バース・デイ」(土曜・後5時)では、競泳の池江璃花子(18)=ルネサンス=を特集。栄光の裏に隠された苦悩を明かした。

 池江は2015年、女子100メートル・バタフライで中学生として19年ぶりの日本記録を更新して優勝。一躍、競泳界のニューヒロインになった。

 高校に進学した16年、日本代表としてリオデジャネイロ五輪に出場し、女子100メートル・バタフライで5位に入賞。翌年、17年4月の日本選手権で5種目に出場した池江は、その全てで優勝。女子では史上初の5冠を達成した。

 しかし快挙にもかかわらず池江に笑顔はなかった。その理由は自己新記録(日本新)を1つも出すことが出来なかったことだったという。

 池江はその時のことを「気持ちがまったく入らなくて、気持ちが折れてて『もう泳ぎたくない』って。それがどんどん積み重なって不安になっていって、実際に結果も良くなかった」と振り返った。

 同7月に、世界選手権へ出場。女子100メートル・バタフライで金メダル確実と言われながらも、まさかの6位。リオ五輪で出した自己ベストに遠く及ばなかった。

 池江は「とりあえず、つらいしか頭になくて。誰にこの気持ちを言っても(分かってもらえない)。言ったところで結局は1人だから何も変わらないと思うしっていうので、ずっと1人でため込んでた」と胸の内を明かした。

 そこには、17歳の心の闇があった。わずか数年前は、地元・亀戸のプールで同世代の仲間に囲まれて練習していたが、華々しい活躍とともに環境は激変。日本代表として、コーチと2人きり、ナショナルトレーニングセンターや海外で練習する時間が増えた。

 「1人で練習してて、さみしいし練習はきついし。8コースあるプールの中で、コーチと私1人というのがつらかった。それも結局は気持ちの問題だったんですけど、すごいさみしかったです」。日本記録更新という重責にとらわれた孤独な日々。池江は殻に閉じこもり、自分で自分を追い詰めていた。

 それに気付いた池江が心がけたのは「自分はなぜ泳ぐのか、泳ぐことの楽しさを忘れていなかったか」と初心に帰ること。それまではレース直前は1人で過ごしていたが、積極的に日本代表メンバーとコミュニケーションをとるなど、持ち前の前向きな気持ちを取り戻した。

 さらに「いろいろなことにチャレンジすることはいいなと思いました」とスタートの改良にも取り組んだ。スタート直後のドルフィンキックを改良して挑んだ今月11日のパンパシ水泳では、世界記録まで0・6秒に迫る日本新で優勝した。

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