金足農OB、お笑いコンビ「ねじ」が明かす奇跡の裏側 選手飼育の豚が9匹出産→直後にサヨナラ

スポーツ報知
おもいっきりのけ反り「かなのう」校歌を熱唱したお笑いコンビねじの瀬下翔太(左)と佐々木ユーキ

 夏の甲子園で快進撃を続ける秋田県の金足農で18日に9匹の子豚が生まれていたことが19日、分かった。3回戦の横浜戦で逆転3ランを放った高橋佑輔内野手(3年)が授業の一環で育てていたという豚が「ナイン」を生んだという、出来過ぎともいえる話に、同高のOBであるお笑いコンビ「ねじ」の、せじも(33)とササキユーキ(34)は大興奮。「ここまでも奇跡の連続のような試合でしたが、さらに吉兆が重なった。あと2試合、この勢いでいってほしい」と優勝を願った。

 強豪・近江を相手に、逆転サヨナラ2ランスクイズという劇的な勝利を挙げた金足農。遠く離れた学校では、もう一つの「ドラマ」が生まれていた。

 同高の生物資源科で飼育をしている母豚から、9匹の子豚が誕生。試合中にお産が始まり、野球のメンバーと同じ「ナイン」がそろった後にサヨナラ勝ちが決まったという。横浜戦で値千金の逆転3ランを放ち、近江戦でも同点のホームを踏んだ高橋は同科で学んでおり、豚の世話も行っていた。

 せじもは臨時職員として同高に勤めている同級生からLINEで連絡があり、子豚の誕生を知ったという。「友人からは写真と共に『9匹、スゴ!』としかメッセージが書いてなかったんですが、僕は面白いな~と思いまして。『新しい金農ナインだ』と思ってツイッターに上げたんです」。そのツイートには1万件以上のリツイートと2万件以上の「いいね」が付けられ、母校の注目度の高さに驚かされた。

 せじもはラグビー部、ササキは1年ほどボクシング部に入っていたそうだが、「当時から、野球部はオーラが違った」という。「部員は全員、坊主頭に学帽をかぶっていた。僕らは学帽をどこで売っていたのかも知らないくらい。あれが金農野球部のブランドであり、伝統だったんだと思います」とササキ。その伝統を受け継ぎ、甲子園で活躍を続ける後輩たちには「コメントなどを見ると、自分たちは農業高校ということに誇りを持ち、戦っているのが伝わってくる。僕たちの方が学ぶことばかりです」と頭をかいた。

 くしくも、2人が生まれたのは金足農が初出場でベスト4に進出した1984年。20日の日大三戦は、その時を超えられるかが懸かっている。2人ともテレビの前で応援する予定だ。「ここまで来たら勝ってもらいたい。試合で奇跡を起こしてきたことに加え、9匹の豚まで生まれるなんて。これは映画化しかないでしょ」と、せじも。「その時は、豚舎のおじさんでもいいので出演させてほしい」とおどけながらも、母校の勝利を願っていた。

 ◆ねじ 2010年6月まではお笑いトリオ「三日月シュガー」として活動。同年から現在のコンビに。コンビ名の由来は、ネジがあらゆる物を作る時に必要なものにちなみ、多くの人に必要とされたいとの思いから。共に金足農高卒業。

 ▼せじも(本名・瀬下翔太)1984年12月3日、秋田県生まれ。33歳。ボケ担当。162センチ、65キロ。血液型B。

 ▼ササキユーキ(本名・佐々木勇輝)1984年7月2日、秋田県生まれ。34歳。ツッコミ担当。176センチ、55キロ。血液型B。

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