JASRAC、11月から一部外国映画での楽曲使用料変更…昨年度から増額へ

スポーツ報知

 日本音楽著作権協会(JASRAC)が6日、都内で記者会見を開催。映画館を取りまとめる利用者団体の全国興行生活衛生同業組合連合会(全興連)と、外国メジャー配給映画の上映使用料の変更に合意したと明かした。

 JASRACはこれまで、外国映画での楽曲の使用料は1作品あたり一律18万円だったが、今年11月から21年3月まで封切り時のスクリーン数に応じた6区分の使用料額表に基づいて行うと発表。10スクリーンまでは15万円、30スクリーンまでは18万円、100スクリーンまでは20万円、300スクリーンまでは22万円、500スクリーンまでは25万円、500スクリーン以上は30万円となる。対象となる外国メジャー配給は全6社。ソニー・ピクチャーズ、ウォルト・ディズニー、20世紀フォックス、ワーナー・ブラザースの4社と、東宝東和が日本での配給を担当するパラマウント、ユニバーサルだ。

 また、21年4月以降に公開される映画は1曲あたりの曲別算定方式に準じた、新たな使用料算定方式の採用に向けて協議を行い、20年までの合意を目指すという。

 JASRACの江見浩一複製部部長は「昨年度の外国映画の使用料は6670万円。そのうちの8割が全興連にお支払いしていただいていた。今回の変更で115%~120%の増額をシミュレーションしている」と分析。邦画は一足早く曲別算定方式に準ずる算定方式を取り入れているため、「ゆくゆくは洋画も邦画も同じであるべきだと思っている」と国内外関わらず使用料の差をなくす意向を示した。

 一方で、欧州の管理団体は興行収入の1%~2%を徴収。「国際的な水準にまだ追いついていない」とし、「我々の要望通りに一気に変更を行うと、映画業界の方のビジネスに影響を与えてしまうので、時間をかけてかえていくことが必要。一歩、一歩の合意だと認識している」と強調した。

 また、劇場入場料の増額の懸念を問われると、「映画業界の方は入場料を上げないための努力はされている。今回の改定で入場料の増額がないようにと、複数の方から伺っている」とコメントした。

芸能

×