樹木希林さん、虚飾なく 観客にこびず 威張らず「そういう演じ方がしたかった」

スポーツ報知
樹木希林さん

 21日に放送されたTBS系バラエティー「ぴったんこカン・カンスペシャル」(土曜・後8時)では、15日に75歳で亡くなった女優・樹木希林さんの出演シーンを再放送。自由で個性ある人柄をしのんだ。

 樹木さんは11年から今年の5月まで4回、同番組に出演した。初めて出演した際には、夫の内田裕也(78)が強要未遂と住居侵入の疑いで逮捕された直後だったが、安住紳一郎アナ(45)の「別れてもいいんじゃないかな(という声もありますが)」という聞きづらい質問にも「でも、別れなくてもいいんじゃないかな」とさらり。別の時には「私にとって(内田は人生の)大事な重し。だから大事にしているの。(ほれているとか)そういう範ちゅうじゃない」と夫への思いを明かし、自宅を紹介した回では内田のために用意したという部屋も披露した。

 放送の終わりには、自宅のベッドの近くに飾られていた額の言葉について語る未公開シーンも紹介された。樹木さんが、あるジンガロ(騎馬オペラ)のパンフレットに寄せたもので、その迫力を「虚飾なく、観客にこびず、威張らず、ものすごいサーカスをあたりまえの感じで演じてしまう(中略)何かをみせるためでなく、その燃やした炎で見物人の魂を鎮めてしまう…」としたためた。「これは役者にとって必要なことだなと思って。そういう演じ方ができたらいるんですが、なかなかいかない」と語る樹木さんに、安住アナが「樹木さんが映画やテレビで表現したいことが、これを読むとすごく分かります。虚飾のない美を持って、トータルの答えとしたい…」と語ると、いつもはおだてに乗らない樹木さんも大喜びした。

 「この言葉に、樹木さんの人生が詰まっている気がしました」と当時を振り返った安住アナ。初めて会ってから7年、自身の結婚の心配や生き方についても語り合った樹木さんに「ありがとうございました。そして、さようなら」と語りかけた。

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